去年の10月7日からあと僅かで一年になってしまう。
だけど、去年のその日、わたしは余りにも「いつも通り」に暮らしていたようで、記憶に残る日にはなっていなかった。
強烈に意識し始めたのは、岡真理さんの『ガザとは何か』を読んでからだ。
「ガザの、どこに暮らす誰か」が判明している死者だけで4万人を超えている。いまだに瓦礫の下敷きになったままの人や、直接的な爆撃によらない、飢えや病気で亡くなった人も含めると、死者は20万人以上になるだろうと言われている。
この週末、イスラエルによるジェノサイドをやめさせようと、全国各地で様々なイベントが行われている。そのなかのひとつ、ガザの人びとが過酷な状況のなかで書いた詩や文章を、声に出して読み、感想をシェアするという会に参加してきた。
車を2時間走らせた先は、里山の、田んぼのど真ん中にある、素敵な素敵なカフェだった。
10人ちょっとの参加者。
パレスチナとの出会いも、知っていることも、みんな違ったけど、みんなでテーブルに置かれた小さなろうそくを囲んで、ガザの人びとの肉声を、参加者一人ずつの肉声で聴き合った。
一人で黙読するのとは、言葉の温度が違っていた。
肉声を、肉声で聴く。
想像を絶する状況を、それでも、想像しながら読んでいると、途中で込み上げてきてしまって、声が震えて、詰まる場面がいくつもあったけど、みんなで、その感情を、静かに静かにシェアした。
去年の10月7日を憶えていなかった自分と併せて、今日の日のことを、忘れないでいようと思う。

(パレスチナに根を張るオリーブの木で、パレスチナの人が彫った鳩のブローチ)