1. このまえ最低限の器具を買ってから少し調理らしきことをしているんですが、私は極めて保守的な人間なので、不味く作るほうが不可能な料理ばかり試しています。カレーとか。ごく適当なやり方でも美味しくできるので、それなりに己惚れることができ、人間性が回復します。
平日は野菜炒めのマイナーチェンジ版をいくつか試していたのですが、味付けは完全に焼き肉のたれやキムチに頼っているので絶対的な安心感がある。申し訳程度に塩、胡椒、醬油とか入れたけど全部打ち消されてますね。初心者にはそれくらいで丁度良いのかもしれません。
しょせん私一人のために作るものに対して、それほど凝るつもりもありませんが……とにかく、栄養バランスの偏りのせいで滅茶苦茶になっていた肌の状態が劇的に改善したのは喜ばしいことです。4月からこっち、私はパスタと冷凍食品だけで生きていたため、思春期に戻ったかのように吹き出物ができ続けていたのです。
これを避けるためにも、何とかして野菜を食おうと思います。フライパンに油をひいて具材をかき混ぜるだけで健康度が増す! 向上心がないので肉野菜炒めとカレー以外にバリエーションが増えるかどうかはかなり怪しいです。まあ増えなくても、それなりに栄養バランスは整うんじゃないでしょうか。何と言ったって、肉野菜炒めには肉と野菜が入っているのですからね。
2.
modernclothes24music.hatenablog.com
今週はこちらの記事のおかげで存在を知った、柴田元幸の「英文精読教室」を読んでいました。日英対訳+注釈付きの短編が、一巻あたり6, 7つほど収録されている本なんですけど、すごく良かったです。どれも面白いので一気に二巻まで読んでしまった。三巻もすぐ入手する予定ですが、とてもじゃないが精読とは言えない読み方をしているので、単語とかは二週目で復習したいと思います。
私はお勉強としての英語はかなり得意だった癖して、実際は全然喋れないし読めないのがコンプレックスなんですけど、この本は注釈が丁寧なので自力で短編を読み通したような気分になれます。もちろん補助輪ありきの通読なわけですが、とりあえず一編読んだのだという達成感は割と大事な気がします。途中まで英文で読もうとして投げ出した本は数知れず、もう無理なんじゃないかと思っていたところなので……
中高生のころは素直に初心者向けの掌編を読んでいたのですが、下手に年月が経ったせいか、謎のプライドのせいで一般書を読みたがってしまうんですよね。あれ以来ろくに英語を読んでこなかったから、成長どころか退化しているはずなのに。
言い訳をしておくと、論文とか専門書は英語だったので、一切触れてこなかったというわけではありません。でもあの辺って割と少ない語彙で完結しているし、定型的な言い回しが多くて特殊なんですね。そもそもネイティブでない著者も多い。
それで言うと、小説には当然多様な言いまわしが出てくるので、私には子供向けの本でさえ結構厳しいです。論文は読めたのに童話は読めないという残念ぶりで、がっくり来てしまいます。いわゆる専門馬鹿ですね……
じゃあ単語や句を調べながら読めばいいじゃないかって話なんですけど、この、検索ボックスに単語を打ち込むというひと手間でさえ面倒くささが勝ってしまうのです。お話への集中も途切れてしまいますし。
そういうわけで、私のように怠惰で我儘な人間には、下に注釈が付いているという形式はかなり適していたようです。もちろん一回見ただけじゃ語彙はあまり増えないのですけど、割と同じ言い回しが出てきたりするので、頻出単語はいつの間にか覚えていたりします。母語だって「どこかで見た言葉だなあ」みたいな経験の繰り返しで、だんだんと高度な文章を読めるようになってきたはずなんですよね。完全に個人的な話ですが、gropeとかsoreとか、ヨブ記で見かけた単語がちょくちょく出てきて若干嬉しかった。
内容で言うと"The Ones Who Walk Away From Omelas"は特に印象的でした。なんかもう汚い地下の描写が始まった時点ですべてを察してしまう程度にはドストエフスキー的な話なんですけど、何やら輝かしいオメラスの描写が、全部あれをやりたいがためのものだったというのは驚きました。
この話が"The Lottery"の直後に配置されているので、何かしらの意図を感じるな……と思っていたら、やっぱりわざと並べたっぽいですね。あとは"!"(こういうタイトルです)も良かった。難易度1のわりにやや抽象的で難しく思えましたが、Ho Muoi少年が外国人たちに対して"!"を投げつける部分の心情描写が好きです。
載ってるのは何度でも読み返したいような話ばかりだし、和訳も(言うまでもなく)素晴らしいので、二週目で理解が正しいか答え合わせするのも楽しみにしています。これを機に他の洋書へも手を出せたら良いんですけどね……せっかくだから、死ぬまでには失楽園の原書をちゃんと読み通したいなというくらいの気持ちでいます。