「少女病」の同人時代の作品がサブスクに入ってるのに今更気づきました。最新作にして完結編の「真典セクサリス」もあります。いつの間に……と思って調べたら今年の冬だったらしい。意外と聴いてない作品があるので嬉しいです。とりあえず真典セクサリスを聞き返しています。
少女病は長いことファンタジーっぽい物語音楽を出してくれていたユニットで、私がサンホラ(Sound Horizon)の「Elysion」や「Chronicle 2nd」に異常なくらい執着し、近い作風のグループを漁っていた時期に「偽典セクサリス」を見つけて喜んでいた覚えがあります。
確か同人作品なのに、ちゃんとiTunes store上にあったんですよね。iPod shuffleとか使っていた頃なので相当前の話です。曲だと「星謡の詩人」と「fly」が気に入ってたんですけど、他のCDを聴いてみたら思っていた雰囲気と違って、当時はいったん手を止めてしまった。
偽典セクサリスはともかく、少女病全体としては、サンホラと似ているようで結構方向性が違う気がします。音楽ジャンルに詳しくないのではっきり言えませんけど、少女病のほうがアニソンっぽい? 話は暗いんですが、曲は割とキラキラした雰囲気があります。
その後、手を止めたとは言いつつ、「告解エピグラム」や「残響レギオン」を聴いてこれはこれで……となったので、CDレンタルしたりiTunesで買ったりして徐々に集めてました。網羅的に全部聴くというより、少しずつ気に入りそうなのをつまみ食いしていたので、自分にしてはちょっと珍しい聞き方です。
ついに最終作「真典セクサリス」が出るっていうので真剣に話を追おうと思ったのが、もう4年も前になるらしいです。怖い。体感としてはごく最近なんですが。「少女病」は色んなCDを出しているものの、本筋は世界の命運を左右する五人の魔女の物語なんですね。真典セクサリスはそのお話の完結編っていうことで、とりあえず前提になりそうな魔女たちのアルバムを買っていき、「天巡メルクマール」でマイブームが再燃しました。
黒紫のオーンブレ。格好良すぎる
インスト版をカウントしなければ3曲だけのアルバムなんですが、フルアルバムくらいの満足感があります。話としても少女病で一番好きです。私は結局、優れた善性や思いやりの心を持っているが故に、苦悩し道を踏み外すキャラクターが好きなのかもしれません。他の曲の歌詞も悲痛で良いです。
天よ聞け
無価値な祈り
唾棄すべき幻想
こんな世界は決して認めないと
(天巡:終わりにしてその始まり)
とか。とはいえ小説版をまだ入手していないため、全貌はわかってない節があります。調べたら、今は電子書籍で買えるようになっているらしい。読みます。
このアルバムの主人公は狂気に堕ちて虚無を求める魔女リフリディアなんですけど、彼女に限らず魔女たちは皆キャラが立ってて好きなんですよね。清々しいまでにサディスティックな悪役に徹するアイリーン、(自分自身含めて)美しいものを偏愛し、それらが朽ちて腐っていくのを許せずに「世界よ、止まるがいい」とまで唱えるメリクルベル、仮にも魔女なのに真っ当なことしか言わないのでちょっと面白いシスフェリア。
最後の一人は話全体の主人公といっても良い聖女アナスタシアで、彼女が最終作でも主役を張ります。完結編ということで期待していた「真典セクサリス」なんですけど、私がやって欲しいと思ってたことを全てやってくれたうえに曲もすごく良かったので、天巡メルクマールと並んでトップレベルで好きです。
お気に入りは極悪非道なりに美学を感じさせるアイリーンの「有形悲劇を与えたまえ」と、五魔女勢揃いの「魔女と神の輪廻」。後者はそれぞれの魔女を主人公とする過去アルバムのフレーズが、続けざまに引用される豪華な曲です。私は各キャラクターがテーマ曲みたいなのを背負って来る作品が好物なので大変満足です。特に上で述べたリフリディアのパートは音楽も台詞も凄味があって良い。
このあと終盤の曲はシリーズ第一作の偽典セクサリスで提示された主題を回収しながら話をまとめにいくんですが、対になっているアルバムタイトルといい、こういう一貫性は格好良いですよね。長年やってきたシリーズならではの重み。私は別に初期からずっと追っていたようなファンではないのですが、それでも最後の曲には感じ入るところがあります。
総じてとても綺麗に物語を締めてくれたアルバムなので、発売までに予習を済ませておいて良かったです。まあ発売からでさえ既に三年経ってるんですけどね。しかし、よく一作にこれだけ詰めこんでまとめたなぁ……未完の傑作というのもそれはそれで浪漫がありますけど、やっぱり終わり方が美しいと、シリーズ全体としての説得力みたいなものがあるなと思いました。