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別にコミカライズとかに限った話じゃないですよね、これ。

 ちょい気になったので、多少のお気持ちを少し。

 

togetter.com

 

 これを読んで「史実を押し付けてくる生意気なコミカライズ担当を黙らせたぜ、ひゃっほう!」みたいな感想が多いのでとっても気になったのだけど、「これコミカライズ担当の性格が悪いだけという話ではなくない?」っていう話です。コミカライズ担当もかなり可哀想だと思うけどな。

 

 これは「セクシー田中さん」から続く「原作とメディア化の軋轢問題」で、一概に誰がどう悪いという話ではないと思います。ただ、個人的に誰が悪いかと言えば「橋渡しが出来ていない編集」だという話です。

 

 この話は完全に畑中さんの言う通りに「原作は史実を重要視していない、言われたとおりに描け」というのはまっこと正しいド正論なのですが、じゃあ何故このコミカライズ担当はこんな黒い感情を宿してしまったのかと言えば「この言葉をかけるべきは畑中さんではなく担当編集だから」じゃないかなあというところです。

 

 先に例え話をしてしまうと、あるプロジェクトでとある部下がリーダーの進め方に疑問を持って、違う会社の先輩に「これこれこういう進め方がイヤなんですよ」って相談したら「それはお前が間違ってるぞ」って先輩に諭された図式に近いと思うんです。それで「間違ってるぞ」っていう内容自体は正当なものだとして、「なんで違う会社の先輩に相談した?」っていうところでリーダーに信頼がおけていないのだなと思ってしまいます。

 

 この話も同じで、担当の作品に納得がいかないなら担当編集とまずやり合うべきなんです。でも担当編集が信用できないから畑中さんに相談して、それで「お前が間違ってる」と言われてしまう。もし担当編集がしっかりコミカライズ担当を納得させられていればこういう事態にはなっていないと思うので、ここで一番弱いのはコミカライズ担当編集なんだろうと思います。

 

 そもそも、「中華風ファンタジー」と「史実の中国の歴史」が違うなんて今更お説教されなくてもわかってると思います。じゃあ何故コミカライズ担当はこんな感情をため込んだのかと言えば、打ち合わせが不十分だったからで、その打ち合わせを満足にできなかったのはやっぱり編集サイドに問題があるんじゃないかなーと思います。

 

 で、これは原作側の問題でもあると思うんだけど「どうせファンタジーだから何をやってもいい」というのは絶対違うと思います。創作に必要なのは基本的に「説得力」であって、歴史を知っている人に「これはおかしい」と思わせてしまったらそれまでのものです。舞台が中国なのでピンと来なくて「どうせ創作なんだからいいでしょう」と思う人もいるかもしれませんが、適当なジャポニズムで作られたエセ江戸の町を見ても「どうせ創作なんだからいいでしょう」と思えるならそれでもいいと思います。

 

 でも、アサシンクリードの弥助問題みたいに「弄ってはいけないところを弄る」という事態も起こりえます。「面白けりゃいいじゃん」っていうのはその面白さに説得力を持たせるところから始まります。ただ舞台を中華後宮にして「作者の好みだから短い髪」っていうのは読者に対してちょい不誠実ではないか、と思います。別に短髪がダメというわけではなく、もし短髪にするなら作中で何かの理由があると定義しないといけないのではないでしょうか。

 

 それで、ここでややこしいのは「史実と違うからダメ」ではなく「作中で理由がないからダメ」ということです。ファンタジーなのですから、作中の描写をしっかりしないといけません。「架空のミックス世界」であるならそこをしっかり強調しなければ「短髪でもしゃーないな」と思ってもらえません。

 

 だからこの相談内容から読み取れる内容だけなら身も蓋もなく担当編集が「これは中華風の恋愛ファンタジーで、ぶっちゃけ女向けのエロ漫画なんだから中国風の服を着た現代風俺様イケメンをきゅるーんとキラキラ描けばヨシ!」とか言っていればよかったのです。エロ漫画なら、しょうがないですね。エロさえあれば背景とかどうでもいいからねえ、とは思います。背景とか作画にお金かけたくないですもの、エロ目的だったら。

 

 実際問題、きゅるーんとしたゆるーい吉原を思わせるような場所を描いたところで「これは吉原風ファンタジーです」と言われても、作者は吉原をなんだと思ってるんだろうな……エロ漫画の舞台としか思ってないんだろうな……という気持ちにはなります。それを承知の上でしっかり吉原っぽいところを書けていればいいんですけど、調べもしないで思ったものを思ったまま書いているだけなら、どこかで炎上しても仕方ないかなあとは思います。

 

 まあ程度問題なのですが、調べもしないでイメージで書いてある作品はとっても多いです。ジャガイモ警察とか揶揄されますけど、真面目に「こいつ大丈夫か?」と思うような描写も結構見受けられます。個人的には中華風の作品でヒーローが短髪っていうのも作中で何か言及されていないなら結構冒険だと思うけどな……理由があればいいんですよ、理由が。それがないからコミカライズ担当はモヤモヤしちゃうわけで、そこを用意してあげるのが原作者サイド、または編集の誠意だと思うけどなあ。

 

 で、この橋渡しが出来てない編集サイドが一番よろしくない。これは「セクシー田中さん」の事件と一緒の構図です。原作者を尊重したくても、その情報が一切流れてこないならコミカライズ担当は「こいつ大丈夫か?」って思ってしまうもの。もしコミカライズ担当が原作者を見下しているなら、原作者を尊重しない編集がそういう態度を見せている可能性もあるな、と思います。

 

 だからコミカライズ担当を一方的に説教して「よくやった!」と思うだけではなくて実際のところ編集と意思疎通がしっかりとれているかを確認したほうがいいんじゃないかと思います。なんだか相談の文章を読んでいる限り、編集がコミカライズ担当をただの「絵を描く機械」みたいに思ってるんじゃないかなーと思うので。他人から尊重されない人間は他人を尊重することなどないから。

 

 畑中さんは自分の担当する漫画家がそういう態度をとるなら、今回のような言葉をかけてもいいとは思うんです。でも今回は他所のプロジェクトの話なので、まずは本当にプロジェクトがうまく回っているかを確認しないといけないんじゃないかなーとは思いました。確かに間違っていないのだけど、その歪みがどこから来ているかだけは確認してもいいんじゃないかな、という気がしただけです。まず原作者とコミカライズ担当の方向性を一致させないことにはお話は始まらないでしょう、そこをなあなあにしているからこうなるんじゃ……という話です。別にコミカライズとかに限った話じゃないですよね、これ。そろそろおしまい。




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