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序章 因
毛利の援軍を頼みに織田信長に反逆し有岡城に籠城した荒木村重は、説得に訪れた織田方の軍師、黒田官兵衛を捕えて地下の土牢に監禁する。しかし有岡城に不思議な謎が立て続けに起きることで、官兵衛は村重から頼まれてその謎を解くことになった。
第一章 雪夜灯籠
織田側に寝返った者の人質を、村重は殺さず牢に監禁することにした。牢が完成するまで信用できる配下に人質を警固させたが、翌朝人質は死体となって発見された。庭には雪が積もり足跡はない。
見張り番から人質が見えないため犯行は不可能。庭の億の警固人は、雪上に痕跡を残さず意矢を回収することはできない。廊下の警固は2人組で、相手の目を盗んで矢を突き刺すこともできない。
怪奇な謎に城内に動揺が広がり、村重はこの謎を解くために、官兵衛の力を借りることにする。
いわゆる「雪密室」の設定。歴史物のミステリーの王道を組み合わせることで、物語がスタートします。
*有岡城籠城戦と、その後の悲劇を描いた作品です。
第二章 花影手柄
有岡城では鈴木孫六率いる雑賀衆と高山大慮が率いる高槻衆が対峙していた。織田側の大津伝十郎が陣を敷いたために夜襲をかけると、雑賀衆と高槻衆は共に2つずつの大将首を挙げてきた。しかし大津伝次郎の首が解らず、功名に勇む雑賀衆と高槻衆の対立が深まる。さらに高槻大慮が挙げた若武者の首が、凶相を帯びた別の者にすげ替えられる。悩む村重は再び地下牢に下り、官兵衛の知恵を頼る。
現代では見られない「首実検」がテーマ。歴史物ならではの設定によって、ミステリーの「伏線」が生きます。
第三章 遠雷念仏
毛利の援軍が届かず城内の士気が下がることに悩む村重は、開城の交渉を進めるために織田方の明智光秀の軍宛に、僧侶の無辺に密書と茶釜の名品「寅申」を携えて派遣することにした。村重は城内の庵に無辺を滞在させ、剣術の使い手である秋岡四郎介を警固につけたが、無辺も警固の四郎介も斬殺されてしまう。また「寅申」が庵から持ち去られ、密書も読まれた形跡があった。
古典的なトリックが使われています。時代が変わると、ミステリーのトリックも新鮮に見えてきます。
第四章 落日孤影
籠城依頼10ヵ月経つも毛利の援軍は姿を見せず、城内の士気が下がる一方となり、村重は追い詰められていた。一方無辺殺しの犯人は織田方に通じていたとされ、村重は犯人を突き止めるように命じる。村重はまたも地下牢に下り官兵衛の知恵に頼ると、そこで明らかになったのはこれまで4つの事件全ての黒幕の存在と、謀反人はいないということであった。
史実における「大きな謎」をテーマに置くことで、ミステリーと歴史小説が融合しました。
終章 果
村重が少ない供を連れて有岡城から逃れることで、あっけなく落城する。
一方有岡城から救出された官兵衛は、村重方に寝返ったと見なした信長の命令で、人質とした我が子の松寿丸が官兵衛と親しい竹中半兵衛の手で斬首されたと聞かされ絶句する。しかしそこで小さな武士を見て、官兵衛は驚きの叫びを上げる。
戦国時代を彩る感動的なエピソード。本来は周囲の助けにより生れたものですが、官兵衛の力もあってこそ。