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【あらすじ】
呂布の目の前で実父が丁原の配下に殺されたが、母はその丁原と結びついていた。義父となった丁原は漢王室の外戚の何進と結びついて、軍閥の将として乱世に名乗りを上げる。一方呂布は類まれな体躯を生かして武術に修練すと、瞬く間に丁原配下でも一目を置かれる存在となった。丁原は呂布を寵愛し、義理の親子だけでない男性同士の「契り」を求める。
首都洛陽で何進が政争で敗れ殺害されると、軍閥の董卓が台頭する。丁原もその配下に加わるが、董卓は丁原の軍勢をそのまま奪おうと企み、呂布を抱き込みに図る。丁原との関係に嫌気を感じていた呂布はその誘いに乗り、それまでの恨みを込めて丁原を殺害した。新たに義理の父となった董卓は呂布に、1日に千里走ると言われる汗血馬「赤兎馬」を贈った。
首都洛陽を制し、絶大な権力を掌握した童卓は、性格そのままの傍若無人な振る舞いを重ねる。意に沿わない皇帝を交代させ、気分次第で多くの民を死に追いやるやり方は、多くの人の恨みを買った。そのため董卓は常に傍らに「百人力」の呂布を置いて、身辺を警護させた。
董卓への風向きが変わった。董卓が寵愛した招蝉は、側近の呂布に董卓の残虐な性格を吹聴していた。豹弾に心が惹かれていた呂布は、日頃から叱責を浴びていたこともあり、徐々に董卓から心が離れていく。側近の王充が持ちかけた裏切りに呂布は応じて、董卓を殺害する。しかし反呂布勢力が蜂起して、董卓の死からわずか60日後に都から追われた。その後袁術や袁紹などの軍閥を頼るが去就は定まらす、中原を放浪する日々が続く。
*「真・三国無双」の呂布はまさにラオウ。赤兎馬に乗る呂布は、黒王号に跨がるラオウか、はたまた大谷翔平とデコピンか (^^)
その頃曹操が父の仇を討つために本拠を留守にすると、呂布は曹操の配下で策略家の陳宮の誘いに乗って、曹操不在に隙を攻め込む。一時は曹操の部下の夏侯惇を捕虜としていくつかの城を攻略するも、曹操が戻ると形勢は逆転、徐州を支配していた劉備を頼って落ち延びた。
助けを求めたはずの呂布が劉備を弟扱いとし、劉備も自分に何かあったら後を呂布に頼むなど、主従の関係が逆転してしまう。呂布は衰術と婚姻関係を結び、強固な軍閥を整えて劉備に対抗すると、劉備は情勢利あらずと徐州を放棄して、曹操を頼るまで追い込まれた。
念願の本拠を手に入れた呂布だが、元々仲の悪い袁術と再度離反してしまう。そこへ曹操が大軍を率いて徐州を攻め、籠城するも水計の策に屈して投降する。呂布は曹操の元で働くことを誓うが、劉備が「呂布が過去に丁原・董卓を裏切った事をお忘れか」と曹操を諌める。呂布は「この劉備こそが一番信用できぬ者だ」と主張したあと、つるされた縄を登り、石突きを咥え落下すると自ら串刺しとなって、壮絶な最後を遂げる。
【感想】
1人の武人として最強と目された呂布。中国史上比肩できるのは項羽くらいか。義父の丁原を殺害し、更に新たな義父となった董卓の暴虐を止めなられずに殺害した。残虐な性格と思われているが、そんな先入観を塚本青史は、呂布を武人として真っ直ぐに生きるも、周囲から利用されただけで「政略を知らない」無垢な人間としての角度から描いた。
そのためか、丁原との関係を「抑圧された性」として描く。董卓との関係も、暴虐な政治を進める董卓を支える立場に見えた呂布が、董卓から虐げられ、義憤に駆られて暗殺する角度から描いている。童卓と奪い会ったとされる美女・豹蝉の存在も、全く別の解釈を取り入れた。そこまではまだいいが、妻の要望を聞いて、愛娘が学ぶ塾を気にするなどの「マイホームパパ」として描くのは、ちょっとやり過ぎ (^^)
「三国志」の遠大なる物語の中で、前半において否応なき存在感を示した呂布。それは董卓と共に漢王朝を滅亡に導いたとする読み方も、または本作品のように運命に呑みこまれて董卓軍に加わり、そこから1個の武人として生きようとする読み方もできよう。この「董卓=呂布」というコンビの存在のため、暴政は激しさを増して止めることができず、その結果曹操は全国の軍閥に檄文を送り、反董卓で立ち上がろうと決意させた。その檄に参じた孫権の父孫堅は、廃嘘となった都・洛陽の井戸の底から、漢王朝の玉璽を手に入れる。そして共通の敵と言える董卓を殺害したのもまた呂布だった。
三国志の主人公として歴史を彩るもう1人、劉邦はまだ曹操の配下程度の立場で、各地の戦場で関羽、張飛ら豪傑と暴れまわり、その名を高めるに過ぎない状態だった。汜水関の戦いで呂布は名だたる群雄を苦も無く退治した後、呂布の前に現れた張飛、関羽、そして劉備の3人で立ちはだかるも、呂布は一歩も引かずに悠々と3人に渡り合い、その名を世に響かせた。
*歴史を変えた女性とも言える豹蝉ですが、本作品では「教育ママ(?)」を演じています(ウィキペディア)
後に三国志の主役となる者たちの「壁」として立ちはだかった呂布。そして自らの命を閉ざすことによって、主役たちを表舞台に押し出した。
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