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17 ウィステリア荘(挨拶)

【あらすじ】

 スコット・エクルズ氏がウィステリア荘に招待される。館の主人のガルシアは、普段は明朗で社交的だが、スコット・エクルズが招待を受けた時は全く話が弾まず不愉快な気分を受けた。ところが翌朝、主人のガルシアをはじめとして召使いたちがみんな消えてしまった。ガルシアはウィスタリア荘から1マイルほど離れたところで死体となって発見され、警察はエクルズを容疑者として追及する。

 地元のベインズ警部は、夕食中に届いて、読んだ後ガルシアの機嫌が悪くなったという手紙を見つけ、暗号文のような内容をホームズたちに示す。ホームズは手紙の内容から、ガルシアが向かっていたのは近くの大きな屋敷であるとにらむ。

 

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【感想】

 「まだらの紐」でも舞台になったサリー州での事件。この作品でも美しい風景と書かれている。さぞかし美しいのだろうなあ、と素直に思う私(ちなみに作家ドイルはサリー州副知事に任命されている)。

 ホームズ特有というよりドイル特有の、まずあまり事件には関係なさそうな、不思議な出来事から話はスタートする。ホームズに相談に来る依頼人を追いかけてホームズの部屋で出会う警察。この展開は「ノーウッドの建築師」を思い出させる。

    警察はホームズの依頼人であるエクルズ氏を逮捕しなかった代わりに、ウィステリア荘に戻ってきた、ガルシアの召使いの大男を殺人容疑で逮捕する。対してホームズは近所の怪しい屋敷に真相があると判断して、見張りをつける。すると事件の鍵を握る家庭教師の女性を保護することに成功して、最初の「不思議な出来事」から遥かに遠い、スコット・エクルズ氏から見た景色の「裏側」の真相が判明する。

 本作品は気になる点が多い。その点が作品と一体となっているかは別にして。

 第1は、地元警察の捜査が、ホームズをも感心させる出来栄えなこと。最初の逮捕が真犯人への陽動作戦となり、ホームズとは別の角度からしっかりと真相に近づいている。ドイルは今まで、警察をホームズの引き立て役にしか扱っていなかったが、今回はホームズに負けず劣らずの捜査をしている。これはいい加減、警察から抗議が来たのか(笑)、それとも作家ドイルがサリー州副知事(名誉職だが)の立場からか。

 第2は、独立国家の影を描いたこと。植民地支配が揺れてきた20世紀初頭。それは宗主国イギリスでも例外ではない。その中で、独立が全てよいことではないかのような描き方は、「政治家であり愛国者ドイル」が抱く志向の1つと思うのは考え過ぎか。

 第3は、ヴードゥー教を作品に取り入れたこと。その特殊な宗教儀式が事件を複雑化させ、また冒頭でホームズが「グロテスク」を話題にすることとつながっている。

 第4は、二部構成にしていること。確かに第一部の「主役」であるスコット・エクルズ氏が第二部では出てこない。とは言え、短編で二部構成にする効果は、前項のヴードゥー教を取り入れた点と合わせてやや疑問。

 最後にひとつ。荘の主人ガルシアがスコット・エクルズ氏に仕掛けた、ちょっとした「罠」。これはJ・D・カーの有名な作品を思い出させる。

 

 *ミステリーチャンネル

 




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