上司がコピーを頼むついでに「これ抜いといて」と、選ばれし者しか抜くことができない伝説の剣を指さしてくる。OLが異常な理不尽に作り笑顔で耐えまくるTwitterのギャグ漫画「耐え子の日常」が、書籍第2巻の発売を記念してねとらぼで出張連載中。第2回は業務内容や職場の環境が狂気じみている「職場も業務もどこかおかしい」編です。
「耐え子の日常」は2015年からTwitter(@OLtaeko)で投稿を開始、現在フォロワー数14万人以上を超える人気アカウント。OLの辛抱耐え子には「大蛇に丸飲みされてしまってランチに行けない」など、“社会の理不尽あるある”が常軌を逸したレベルで日々降り掛かってきます。それを気の弱さから「平気平気!」「先にランチ行ってて!」とつい我慢してしまう耐え子に「むしろ耐えられる方もやばいのでは」と狂気を感じつつ、社会の苦味にどことなく共感してしまう作品です。
時には上司から不可解な指示があったりするのが会社というもの。しかし耐え子の職場では「A4紙切れたからこれでお願い」と原材料の木を渡されたり、「この仕事やっつけといて」のテンションで巨大な怪物をやっつけるよう依頼されたり、上司のムチャぶりの質が数段階上です。すべて引き受ける耐え子も問題があるというか、むしろスペック高すぎですが……。
あとは社員と気まずいコミュニケーションが発生するのも会社あるある、特にエレベーターは「どっちが先に降りるか迷う」など気まずさの宝庫です。これが耐え子となると、荷物で手がふさがっていて「2階押してください」と頼んだら、背中を「ドン ドン」と2回押されて外へ追いやられてしまいます。後から乗ってきた先輩に降りる階を尋ねても、「何階だと思う?」と逆に聞き返されたあげ句、「実は1階でした〜!」「だから乗る必要なかったんでした〜!」とおちゃめに告白されてしまいました。怖すぎるよこんな仲間たち、人事の目はどうなっているんだ。
「カタカタカタカタ……」とキーボードの音が隣から聞こえて「すごい仕事がんばっているな」と目をやると、口でひたすら「カタカタ」唱えているヤバイ社員がいるなど狂った職場に恵まれている耐え子の日常。頑張りぶりに癒やされるというよりは「早く転職しなよ」とツッコミしか湧き上がってきませんが、ここに描かれていない会社の良いところがきっとあるんだろうと前向きに捉えたいところです。
書籍の第2巻は11月30日にAmazon.co.jpや全国書店で発売。「耐え子の日常」はTwitter(@OLtaeko)で更新中です。ねとらぼでは社会のつらさを痛感しがちな月曜日や休み明けに、全7回で掲載していきます。師走も頑張れ、耐えちゃん。
(黒木貴啓)
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