同僚とランチの約束をしていたのに大蛇に飲み込まれてしまった――などなど、ありえないレベルの不幸をOLが「平気平気!」と笑顔で耐えまくるTwitterのギャグ漫画「耐え子の日常」。初の書籍化を記念してねとらぼで出張連載してきましたが、最終回となる第7回はありとあらゆる理不尽に遭遇する「総集編」です。
「耐え子の日常」は2015年からTwitter(@OLtaeko)で投稿を開始、現在フォロワー数11万以上を超える人気アカウントです。本作の特徴は、主人公の辛抱耐え子に降りかかる“OLあるあるな不幸”が、毎回「いやそれはない」といいたくなるほど理不尽なところ。よく聞く「ごめん、先にランチ行ってて!」も、その理由といえば「ちょっと急な業務入ったから」あたりが関の山ですが、耐え子の場合は「ちょっとメデューサが必死で目を合わようとしてくるから」などめちゃくちゃハードです。昼食時に石化の目を持つ怪物がさらっと出てくる日常とは。
水飲み場で蛇口をひねったらすさまじい勢いで水が飛び出すことがありますが、耐え子だと「砲撃かな?」というレベルで身体が弾き飛ばされます(※存命)。上司に「窓拭いてもらっていい?」とさらっと振られた雑務も、ビルの外側から命綱をつけてワイパーをかける専門的な方だったり。もはやあるあるとか関係ないのですが、友達とあっち向いてホイで顔をそむけたら、とうとうメデューサと目があって石化してしまいます。あんなに避けきれたのに……。
こうしたあまりにもかわいそうな出来事、そしてそれを作り笑顔程度で耐えてみせるシュールな姿に笑いを誘われる本作。一方で「髪をお団子結びにしてみたんだけど会社の目前でほどいてしまう」など、まっとうな共感ネタも実は少なくありません。そうした一面も織り交ぜながら頑張り続ける耐え子の姿に、Twitterでは「わかる」「耐え子かわいいよ」「わいは好きやで」と癒やされている人も多いようです。
「耐え子の日常」初のコミックスは5月18日に全国書店で発売され、すでに3回目の重版が決定しました。コミックスにはオリジナルのストーリー漫画が5本以上収録されているのですが、そこにはただ耐えるだけでなく、人の意見に反抗したり、我慢することで報われる瞬間をかみ締めたり、実は同僚たちには彼女の優しい姿が愛されていたりと、Twitterとは違った姿が見られます。
ねとらぼでの出張掲載は今回で終了。本編はTwitter(@OLtaeko)で更新中です。耐え子の日常はまだまだ続く……。
(黒木貴啓)
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