「スマートフォンのゲームへの課金が止まらない」――そんな“課金依存”が社会問題になっています。無(理のない)課金で遊んでいるうちは楽しいゲームも、日常生活に支障を来すようなら本末転倒。課金と適切に付き合うライフハックをまとめました。
課金したいという気持ちを抑える方法としてよく紹介されるのは、「クレジットカードと携帯キャリア払いの登録に注意」「毎月の課金予算を決めておく」「自分の身の丈に合った課金をする」など。しかし中には、「それで課金が止められるなら苦労しないんだよ!」と叫びたくなる人もいるのではないでしょうか。
「どうしても課金してしまう」のレベルは人それぞれ。「意識を変える」「好きなキャラを諦める」「しょせんゲームだと割り切る」といった“自分の意志”に頼るやり方では、課金欲を抑えられない人もいます。
記者の友人Aさんは「意志の力が弱い」タイプ。さらに不運なことに、Aさんの会社の同僚が月に10万円以上を課金する「重課金兵」だったことで、課金欲を煽られ続けていました。つまり、周りの人が「○○引いたわ〜」という報告をしてくることで、そこまで欲しくないキャラでも「引かなくてはいけない気になっていた」のだとか。
しまいにはガチャに新規キャラが実装されるたび、平均2万円を「なんとなく課金」していたというAさん。特に深夜や疲れている日はガチャを回すのが止められず、翌朝後悔することも多かったといいます。
Aさんはまずは「欲しいキャラ以外は課金しない」と意志の力で止めようとしていましたが、あえなく失敗。そこでAさんは記者に「課金欲を抑える術を教えてほしい」と相談。記者も課金欲には弱いタイプなので、Twitterでアンケートを取ったところ、300人超が回答してくれました。
アンケートでは、さまざまな課金対策を教えてもらいました。多かったのは、「ストアアカウントとクレジットカードとの連携を切り、iTunesカードやGoogle Playカード(物理)でのみ課金をする」方法。衝動的な課金を避けることができますし、物理的にカードが残ることで、自分が使った額を目に見える形で実感することもできます。
Aさんはしばらくこの方法を試してみましたが、これでもダメ。課金は止まりませんでした。「iTunesカードやGoogle Playカードはネットで買えてしまう。さらに定価よりも安く買えることもあるので、むしろ罪悪感が減ってしまった」といいます。
最終的にAさんがたどり着いたのは、複数の方がオススメしていたiOS・Androidの「機能制限」。パスワードを設定することで、端末からのコンテンツ購入を制限する方法です。
コンテンツの購入ができないため、iTunesカードやGoogle Playカードからも課金できないのがポイント。Aさんは第三者にパスワードを(Aさんが分からないように)設定してもらい、自分の端末からは課金ができないようにしました。
Aさんは機能制限後、数日間はあてずっぽうにパスワードを入力してみることもありましたが、1週間もすれば「課金欲がウソのようになくなった」といいます。機能制限を行ってから1カ月が経過していますが、穏やかに日々を過ごしているそうです。
なお、「どうしてもこの推しだけは引きたい」という気持ちが生まれてくるのも“あるある”でしょう。その場合は、パスワードを設定した第三者に「このキャラが欲しい理由」をプレゼンして協議の上、制限解除をするかどうか決めるとのこと。
「どうしてもやめられない」「もうやりたくないのにやめられない」のは、依存症の域に入っています。依存状態に入ると、自分の意志の力でコントロールすることは難しいと言われています。
「課金をしない意志」ではなく「課金ができなくなる仕組み」によって、課金依存から抜け出してみるのはいかがでしょうか。それでも収まらず、日常に支障を来すようでしたら、プロの手を借りる――保健所や精神科などへの相談を検討してみてください。
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