一部ネットユーザーのあいだで、“中二病なハンドルネームで使われがちな記号”として知られている「†」。「†漆黒の堕天使†」のような使い方に心当たり……どころか、黒歴史を抱えている人も少なくないのでは?
当たり前ではありますが、この記号がPCなどで使えるのは「かっこいいから」ではありません。実はちゃんと用途があるのです。
「†」は「短剣符」「ダガー」などと呼ばれる記号で、「*(アスタリスク)」と同じように参照や脚注などを表す際に使われます。
また、欧米では十字架に見立てて、死亡年を示す(例:†2018)などの使い方もあるとか。ダガーはフォントによってデザインが大きく異なり、単に縦横の線を組み合わせただけの場合、確かに十字架そっくりに見えます。
日本では、このダガーをなぜか“中二病ハンドルネーム”に利用する例がよく知られていますが、筆者が調べた限り、「†堕天使†」「†ルシファー†」などキリスト教を連想させるフレーズと組み合わせることが多いもよう。もしかしたら、ここにも十字架風の見た目が影響しているのかもしれません。
ダガーには、ちょっとだけ書き方を変えた別の記号が存在。例えば、横線が1本多い「‡(二重短剣符、ダブルダガー)」の場合は、ダガー同様、参照や脚注に使われます。
その他にも上下反転させた「turnd dagger」、刀剣のつばに見える横線の一部を省略した「dagger with left guard」「dagger with right guard」といったバリエーションが。Unicodeの資料によると、これらを使うのは「言語学者、中世研究家」などとのことで、一般人がお目にかかるチャンスはなさそうです。
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