トヨタ自動車は6月22日、最高級サルーン「センチュリー」を21年ぶりにフルモデルチェンジし、全国のトヨタ店(一部地区はトヨペット店)を通じて販売を開始しました。価格は1960万円(税込)からです。
センチュリーは、政財界の要人などに向けた「ショーファードリブンカー(お抱えの運転手が運転することを想定したクルマ)」の最高級サルーン。21年ぶりのフルモデルチェンジとなった今回の3代目は「継承と進化」をテーマに刷新しました。
VIP向け車種のため「手の掛け方」や「威厳」がやはり一般車種とは大きく違います。重厚で威厳のあるデザインを継承し、ボディーは熟練職人の手作業によって、曇りのない鏡面に仕上げた美しい塗装が施されます。基本色の黒色には「神威エターナルブラック」という名称のカラーを用意します。このほかブルー系に「摩周シリーンブルーマイカ」、赤系に「飛鳥ブラッキッシュレッドマイカ」、シルバー系に「精華レイディエントシルバーメタリック」の各色を用意します。
パワートレインは5リッターのV型8気筒エンジンと電動モーターを組み合わせたハイブリッド仕様になります。従来モデルにあった国内メーカー唯一の存在だったV型12気筒エンジンは残念ながら廃されますが、ハイブリッドシステムによって環境性能を向上させました。
このほか、エンジン音や振動を極力抑える「アクティブノイズコントロール」、AVS(Adaptive Variable Suspension System:可変減衰力)機能付きの電子制御エアサスペンション、乗り心地に特化した新開発の専用タイヤなどを備え、最高級車にふさわしい「静粛性」と「安定した乗り心地」の性能を従来モデルより大きく高めました。
また衝突回避支援などを含めた安全運転支援システム「Toyota Safety Sense」、隣車線などの死角を走る車両を検知する「ブラインドスポットモニター」、周辺状況を検知して駐車をサポートする「パーキングサポートアラート」など、要人を乗せるための車両にふさわしい先進的な安全支援機能も満載。万が一時の事故や急病人発生などの緊急時に専門のオペレーターが遠隔サポートする「ヘルプネット機能」や、車両データを基にドクターヘリなどの早期出動判断を行う「D-Call Net」にも対応します。
センチュリーは前述した通り、運転は専属の運転手に任せて、オーナーやゲストは後席に乗って移動するショーファードリブンカーとして設計されています。2代目の標準モデルと比べて65ミリ延長したホイールベースを生かし、後席スペースをさらに拡大。後席のスカッフプレートと床面の段差も減らし、乗降のしやすさにも配慮しました。
また、本杢(ほんもく)製のオーナメントや伝統的な「紗綾形崩し柄」の織物で覆われた天井なども極めて上質です。シートには電動オットマン、中央には11.6インチモニターによる「リヤシートエンターテインメントシステム」、そして12チャンネルのオーディオアンプと20個のスピーカーによる高級オーディオシステムなど「後席の乗員が極めて快適に過ごす」ための装備を充実させています。
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