仏パリにて高さ5階のマンションのバルコニーに幼児が宙づりになる事態が発生。市民が消防隊を待ちながら見守っていると、マリから移民してきた22歳の青年マモウドウ・ガッサマさんが素手でよじ登り、幼児を救出しました。現地民から「スパイダーマン」と呼ばれ、喝采を呼んでいます。
現場に居合わせた人が動画を撮影しSNSへ投稿。地上には、ガッサマさんを応援する声と拍手が響き渡り、わずか30秒ほどで5階へ到達。途中でガッサマさんのようにバルコニーへ登ろうとする人も映し出されますが、誰も1階より上へ到達できません。
一目瞭然の超人ぶりで登り切ると、ガッサマさんは幼児の手を取り無事に救出。地上は安堵の声で包まれました。消防士が到着したときには、すでに救助を終えたあと。パリ消防士の公式Twitterアカウントは「マモウドウさんはパリ消防隊の役割を担ってくれました。私たちは彼をいつでも迎え入れます」と消防隊への仲間入りを提案しました。
パリのアンヌ・イダルゴ市長もガッサマさんを称賛。電話で懇談したのち、「彼の英雄的行為は全ての市民のためのお手本です。パリ市はガッサマさんがフランスに定住しようとする意志を力強く支持します」という趣旨のツイートをしました。
話を聞きつけたマクロン大統領は、ガッサマさんを大統領官邸へ招待。海外メディアによると、ガッサマさんは「建物の前にたどり着くと恐怖で震えてきました。考えるよりも先に体が動いて登り始め、そして神が助けてくれたのです」と語ったそうです。マクロン氏は彼の勇気をたたえて、証書とメダルを授与し、帰化市民権が与えられる予定であると発表しました。
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