首都圏でサラリーマンを中心に愛される立ち食いそばチェーン、富士そば。その下北沢店に、何やらとんでもなくダイナミックなメニューが誕生したとSNSで話題です。
その名も「よくばりコンボ(690円)」。それは「カツ丼大盛+カレー+豚肉」という、「ジャンキーなものをとにかく3つ一緒にしてみました!」とでも言うような、よくばりすぎてのけぞるほどのパワフルな一品。
筆者もすでに数百回は通っている富士そば。その歴史上にも残るであるダイナミックメニューをぜひ食べようと、提供している富士そば下北沢店へやってきました。
下北沢駅・南口から歩いて1分もかからない下北沢店は、オープンから間もなくキレイな店構え。だが人気メニューが並ぶサンプルの最も目立つ左上のところに、何やら見慣れぬ一品が鎮座しています……。
中に入ると、17年12月にオープンした新店らしいキレイな店内。さっそく店員さんに「よくばりコンボ」をオーダーし、待つこと数分、いよいよ例のブツが現れました。
ニッポンの大食漢の夢がいまワンプレートに大集結した、迫力の一品。大盛り(ごはん1.5倍)のカツ丼、カレー、そして豚肉がありえない同居をしてしまったような料理です。
最初、どこからスプーンを入れていいのか迷います。ちょっと迷ったあげく、右側のカツ丼とカレーあたりから手を付けることにしました。
カツ丼とカレーを同時に口に含んでみると、カツ丼味とカレーが混ざり、カツカレーとは違う何やら和を感じさせる新鮮な風味。なお味はふだんの富士そばのカツ丼とカレーと同じで、どんどん食べられる安心の味です。
さらに脂身がおいしい豚肉は「豚しゃぶ丼」に載せている豚肉と同じものを使っているそうで、食べやすい厚さにスライスされています。生姜とだし汁の味が利いた風味で3つの中ではアクセントとしても機能します。
カレーとカツ丼を一緒に食べて、カレーカツ丼のようにして食べたり、またはカツと豚肉を同時に口に含んで、肉のコンボ状態を楽しむ……3つがワンプレートだと、色々な食べ方が味わえます。店長の篠崎さんによると、豚肉のほうにカレーをかける人も居るとか。
いつものメニューであれば、食欲にまかせて食べ進めていくうちに終わりが見えるのですが、これはなかなか減りません。「それほどボリュームがなかったらどうしよう」と取材前に考えていた筆者の予想を覆す盛りでした。大食漢であれば「食べても食べてもまだある」と満足できそう。
筆者もそれなりに量は食べるほうなのですが、この「食べてもすぐなくならない」には面食らいました。それでも勢いにまかせて食べ進めると、ようやく終わりが見えてきます。
ついに完食! 富士そばの「富士」のごとく、高い山に登頂したような達成感をちょっと味わえました。まさに「食べた!」という実感を強く感じさせてくれる無二のメニューです。なお「カツ丼」と「豚肉」のおかげで、かなりの肉肉しさが口に余韻として残ります。特に肉好きな人には、値段以上の満足感が絶えず得られる一品ではないでしょうか。
なお、こちらが作られるきっかけは、もともとの人気メニュー「カレーカツ丼」をさらにボリュームアップさせようというアイディアから生まれたそうです。
SNSでも新メニューと思う人が多かった「よくばりコンボ」ですが、実は以前からごく一部の店舗で提供されていたメニューで、下北沢店を作る際に、提供店のひとつである柏店でメニュー選定担当者が試食し、「これは良い」と18年2月16日から提供を決めたのだそう。
非常に少なかった提供店は今後増やしていくそうで、3月中には大宮東口店、上板橋店、八柱店で、さらに4月には秋葉原電気街店、立川店でも順次提供を開始する予定とのこと。若者向けのメニューということで、繁華街や観光地などを検討しているそうです。
SNSで話題になった後は、注文数は2倍に増えたそうで、今後人気メニューになるポテンシャルを秘めている料理とのこと。
完食する人はどれくらいなのかと聞いたところ、皆さん残さずに平らげていくとか。女性でもキレイに完食していくとのことで、また外国の方も注文して喜ばれているそうです。
ただこのボリューム感なので、さすがにこれと一緒にプラスで何かを頼む人はまだ居ないとか。ただ、1人だけ「よくばりコンボと蕎麦のセットが欲しい!」とリクエストするツワモノも居たそうです。なおそのようなリクエストが多い場合はメニュー化を検討していくとか。
なお富士そばでは以前、これまたダイナミックな「焼きそばカレー」なる、カレーライスと焼きそばを合わせたメニューが一部店舗で展開されたことがあり、そのチャレンジングなメニュー開発ぶりには頭が下がります(現在提供店があるかは不明)。
いつもの定番メニューの安心感に加え、私たちを飽きさせない取り組みで日常に刺激を与えてくれる富士そば。「よくばりコンボ」の広まりとともに、その挑戦を見守っていきたいところです。
(辰井裕紀)
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.