絵がうまく描けない人は「描ける人」に憧れるあまり「絵心さえあれば絵描きの世界で楽に成功できる」と捉えがちだが、実情はずっと厳しい――そのようなクリエイターへの認識について示した図が、Twitterで注目を集めています。
TwitterユーザーのREN(@REN_multilockon)さんが、漫画家に対する認識を例に、実情を知らない子どもと大人、実情を知る人の人生観をそれぞれ図示したもの。「漫画家に憧れる子どもから見た人生観」は、「絵心がある」から「漫画家デビュー」「アニメ化」「『ワンピース』級の成功」に至るまでが、なだらかな階段で表現されています。子どもゆえの甘い認識ではありますが、投稿主は「こうした根拠のない自信は別の形で生きることもあるので、現実を見せるのはゆっくりでいい」としています。
「多少現実見たけどまだ夢を捨てきってない大人から見た人生観」は、「絵心がある」のハードルが急に高くなっており、漫画家を「自分では手の届かない存在」と認識した人を想定しています。しかし絵心以降のハードルについては、子どもの認識と同様。そのため絵を描く人が身近にいると、趣味だけで終わるのはもったいないと思い、激励する傾向にあるとしています。
最後の「(実情を知る)普通の人から見た人生観」は、投稿主の認識を示すもの。「絵心がある」は最初の一歩に過ぎず、目の前には「20ページの漫画を完成させる」という大変なハードルが天高くそびえ立っています。これを越えたとしても、次なる地点「漫画家デビュー」はゴツゴツした絶壁。しくじれば下に広がるマグマの海へまっさかさまです。一度でも漫画に取り組んだことのある人ならば、身につまされるのでは。
RENさんは「自分は漫画をネットにさらして満足している人間なので、この図でも認識は甘いはず」と述べています。そんな声を受けてか、ツイートには「漫画家デビュー」以降のより厳しい世界を描いた図も経験者から寄せられています。もう無理ゲーにしか見えない。
このような例は漫画家に限らず、専門性の高い分野ではよくある話で、「タッチタイピングができるだけでPCのことならなんでもできると誤認される」「大学に進むだけでノーベル賞への道が開けると思われる」といった派生形も生まれています。「できる人」にはできる人なりの苦労があるものですよね……。
(沓澤真二)
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