クルマをさまざまなテクニックを駆使して横向きに滑らせながら走行する「ドリフト」をどれだけ長く続けられるかという記録に、BMWに所属するドライバーが挑戦。8時間という大記録を打ち立て、ギネスワールドレコーズに認定されました。
記録に挑戦したのはヨハン・シュワルツ(Johan Schwartz)さん。最高600馬力を実現するBMWの新モデル「BMW M5」を使い、水を撒いて滑りやすくした円形コースを舞台に行われました。そして、この挑戦では記録更新のための「すごい奇策」も用いられました。
それは「ドリフト走行中のクルマに合わせて、給油車もドリフトしながら給油を行う」というもの。なるほど、これが天才か。
湖面を踊るようにドリフトをし続けるBMW M5。車両は今回の挑戦で良い記録を出すために可能な限り軽量化され、ガソリンの量も必要最低限に抑えられています。しかしそれだけではすぐガス欠になってしまい、記録は伸ばせません。そこで考え出されたのがツインドリフト給油というわけです。
ドリフト走行中のマシンにタイミングを合わせて飛び出していった給油車は、ヨハンさんのM5にぴったりと寄り添うようにドリフトで追従。増設された専用の給油口へ、給油車からホースを接続して、神業とも言えるテクニックでツインドリフト給油を成功させました。
8時間も走行し続けたヨハンさんはもちろんですが、給油車で身を乗り出しながら給油に挑んだ給油スタッフの彼にも、その勇気に賞賛を贈りたいところです。
今回の挑戦で達成されたのは「Longest continuous vehicle drift(最も長くクルマでドリフトしつづけた)」というもので、記録は8時間。その走行距離は374.17キロでした。370キロというと、東京から仙台を超えた石巻、あるいは名古屋を超えて三重県鈴鹿サーキットあたりまで行ける距離です。
ついでといってはなんですが、今回の挑戦で「Longest twin vehicle drift(最も長くツインドリフトした)」という記録も更新されました。その記録は79.26キロとのこと。2014年に認定された28.52キロを大きく上回る結果となりました。
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