どこか悟った表情で「私は猫である」と語る、名前のない1匹の猫が登場する漫画「おじさまと猫」が、Twitterで「涙が止まらない」「すてきな漫画」と話題になっています。
ペットショップで売れ残ったまま、もうすぐ1歳になる名無しの猫ちゃん。値下げがされるも「かわいくない」と特徴的な柄からブサイクと言われてしまったり、「子猫がいい」といった言葉を言われ続けて、どうせ誰も「欲しがらにゃい…」と無愛想な諦めた表情でただそこにいました。……するとそこに「この猫をください」と手を伸ばす人が現れます。
その“おじさま”は真剣な表情で猫を見つめ、そのまま決めたことを店員さんへ。これには「馬鹿にゃのかこのオッサン」と驚くと同時に、娘へのプレゼントか、絶対に嫌がられる、と心配する名無しの猫ちゃん。
ケージから出されてもなお「期待にゃんかさせないでくれ!」と心の中で叫ぶ猫ちゃんでしたが、店員さんにプレゼントではないと話すおじさまはうれしそうな笑顔で「私が欲しくなったのです」「とても可愛くて」と、やさしく猫ちゃんをハグし「うちの子におなり…」と温かい言葉をかけるのでした。震えるように涙する猫ちゃんにこちらも涙……。
投稿したのは『神とよばれた吸血鬼』をガンガンONLINEで連載していた漫画家・桜井海さん(@sakurai_umi_)。「一度猫漫画描いてみたかったのです」と、Twitterにて6月に公開された4ページの短編漫画『おじさまと猫』は、約15万リツイートと30万いいねの人気に。
そして多くの続編を望む声が寄せられたこともあり、8月6日時点で6話まで描かれました。その中では“おじさま”に焦点が当たることも。特に第2話「ひとりぼっち」では、一緒に住んでいた奥さんと思われる人物が登場し、「猫を飼わない?」とおじさまに提案するシーンから始まります。
第1話のきっかけになったと思われる回想シーンの後には、おじさまの家に着いて不安になる猫ちゃんが「“こんな猫いらなーい”にゃんて家族に言われたら…」とびくびくする姿が。それを見たおじさまは、「大丈夫、ここには私しか住んでいないからね」と一言話しかけます。
この言葉に「私がいるにゃ…」と今度は猫ちゃんの方からやさしく寄り添っていく姿に涙がこぼれるのと同時に、おじさまと話していた女性の存在や、彼女にどんな猫が飼いたいのか聞いた時に返ってきた「それはね…あなたに決めてほしいの」というセリフから、想像が止まらない内容となっています。何回読んでも良い……。
他には、大事な名前“ふくまる”を付けてもらうお話、ペットショップの店員さんとのお買い物+忘れていた幸せを感じるお話、おいしいゴハン「スーパーミラクルカリカリ」を食べるお話、おじさまが猫を飼ったことを大切な人に報告するお話などが公開されています。
どれもほっこりする内容に、Twitterでは「この漫画好き」「このシリーズ全部泣ける」とシリーズを追うファンも多くみられ、単行本化を望む声も上がる反響となっています。
ちなみに桜井さんのTwitterでは、ただただかわいい姿に和む“ふくまる”のカラーイラストも投稿されていて見ることができます。
画像提供:桜井海(@sakurai_umi_)さん
(宮原れい)
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