日本音楽制作者連盟、日本音楽事業者協会、コンサートプロモーターズ協会、コンピュータ・チケッティング協議会の4団体は、イベントチケットを2次売買できる公式のチケットトレードリセールサイト「チケトレ」を正式にオープンしました。
4団体は、2016年8月に「チケット高額転売取引問題の防止」を求める共同声明を発表(関連記事)。その後ユーザーから最も多く寄せられた“本当に行けなくなった時の救済措置を作ってほしい”というニーズを早急に解決するためとして、2017年5月に音楽業界初となる公式のリセールシステム「チケトレ」を設立し、サイトをプレオープンしていました(関連記事)。
ユーザー救済を目的とした同サイトでは、出品者は券面金額でのみチケットを出品でき、また会員登録時に身分証などによる本人確認を行うことでお互いの安全性を確保。代金のやり取りにもチケトレ事務局が介入し、公演終了の4日後に振り込みが行われる仕組みとなっています。
購入者は運営事務局へ代金を支払い、一時預かりという形でその決算が完了後、出品者から直接発送される形でチケットを受け取ります。発送から取引ナビでサポートしつつ、届いたものが偽造チケットだったり、出品者都合によるチケット破損・紛失・未着によって公演に入場できなかった場合、事務局が預かった代金と手数料が全額返金されます。
また、イベント当日にチケット記載の名義と異なるユーザーの入場をスムーズにするため、購入者にチケトレで正規購入した証である「バウチャー(購入証明書)」を発行。画面コピー防止を施した表示を提示することで、入場時のトラブルを減らす狙いです。
運営はぴあが行い、取引手数料は出品者・購入者ともにチケット券面金額の10%(3999円以下一律400円)。また出品側は「1送金あたり380円」、購入側は決算時に「チケット券面金額の3%」のシステム手数料がかかります(すべて税込)。
4団体は、音楽業界を挙げてチケットの適正転売に取り組むため「チケット適正リセール推進協議会」を発足。今後は同協議会でチケトレのシステム運営に関する課題を議論していく他、総務省の支援のもとコンサート会場でマイナンバーカードを用いた「適正リセール・チケットレス入場」の実証実験を今年秋ごろに行う予定だとしています。
(宮原れい)
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