国際自動車が3月1日に新卒採用の解禁に合わせて公開した新卒採用サイト「すっぽんぽん採用」によると、企業と学生が本音で語り合うために希望者には銭湯で「すっぽんぽん」面談もできるらしい。「湯ったり本音を語り合える?」「すべらない役員面談?」と、ツッコミどころ満載の「すっぽんぽん採用」について企画広報担当者に聞いてみました。
―― すっぽんぽん採用ってすごいネーミングですね。
担当者 「余計な見栄や駆け引きを捨てて」とは言っても、なかなか学生との垣根は超えるのは難しいんです。そこで、本音をいえる環境を作り出すために、お風呂での面談を新たに取り入れました。日本古来のコミュニケーションの場である銭湯で、より深い相互理解につながることを期待しています。
―― 希望者は人事担当と一緒に銭湯で「すっぽんぽん」面談も可能とありますが、(人事担当と)異性の希望者がいた場合はどのような対応になりますか?
担当者 女性の希望者には、女性の採用スタッフが対応します。提携先の銭湯の休憩用ロビーにて簡単な会社説明を行った後、希望者には一緒に銭湯でお風呂に入りながら、採用スタッフと学生とがざっくばらんに交流する予定です。
―― 国際自動車と言えば、2016年も100人を超える新卒者を採用していましたよね。正直、タクシー業界に「新卒」というイメージがないのですが。
担当者 現在タクシー業界全体がドライバーの高齢化に直面しています。もちろん、ベテランドライバーも大切にしていきますが、若い力を結集したいと思っています。若い情熱や新しい感性で、当社のみならず業界全体を活性化につなげたく、他社に先駆け新卒採用を2010年より開始しました。新卒だけでなく、さまざまな世代がタクシードライバーという仕事を職業選択における選択肢の一つとして当たり前に認知できるよう、若い世代の力がまだまだ必要だと考えています。
―― 仮面就職OKとありますが滑り止めでもOKなんですか?
担当者 仮面就職OKですが、「とりあえず」という腰掛よりは、自分の夢や次の挑戦に向かっていくための力を蓄えていくことを会社として応援しています。
―― いろいろな人が応募すると思いますが求める人材とは?
担当者 ホスピタリティを発揮できる人が良いですね。人の喜びを自分の喜びにできる人、感謝の気持ちをもって、感謝を伝えられる人が向いているんじゃないでしょうか。さらに、自分で考えて主体的に行動できる人や、困難があってもポジティブに捉えて、チャレンジできる情熱があるとなお良いですね。
―― 選考フローも見慣れないものがあります。まず「ドラマ型体験プログラム」とはなんですか?
担当者 ドラマ型体験プログラムとは、まさにドラマを見ていただきながらするグループワークなんです。ドラマは新卒入社したタクシードライバーたちのエピソードをもとに3人の主人公が葛藤や挫折を体験しながら成長していく姿を描いています。当社の企業理念やタクシードライバーという職業に加え、学生たちの思いや目標、夢についての理解を深めるためのプログラムです。
―― 「すべらない役員面談」とはなんですか? すべらない話をしなきゃいけないんでしょうか?
担当者 いえ、役員に受けの良い話やすべらない話をする必要は一切ありません。コミュニケーションが苦手でも、自分のありのままの姿を表現してほしいと思っています。一般的に、学生が役員と対面すると緊張してしまいますよね。そうすると、自分の用意した回答や考えがうまく伝えられないことが多くあります。当社は上手な面談テクニックを持った学生や企業受けの良い受け答えができるが学生を望んでいるわけではありません。学生からどんな質問が飛び出すか分からない、役員にとっても予想外になるかもしれない、パネルディスカッション形式の集団役員面談が「すべらない役員面談」です。学生の人柄や良さを引き出すのが目的です。
キツい就活の合間に銭湯でほっこりできる「すっぽんぽん採用」。奇抜なネーミングだが、学生の気持ちにしっかり寄り添った、あったかい採用を目指して……。「やりたいことが分からない」という学生が多い中、一生のことを国際自動車で正社員として働き、社会人としての力をつけながら、将来を一緒に考えていこうという思いが詰まっているそうです。「ランチ面接よりも、もっと気楽に」とのことでしたが、ちょっぴりダイエットをしたくなるような気もしますね。新卒採用だけではなく、既卒・第二新卒でもエントリーできるそうですよ。
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