2016年末から都営バスにおいてUSB充電ポートの設置目撃情報がSNSで寄せられている。調べてみると、都内で1台しか運行されていない希少なバスだということが分かった。東京都交通局に聞いてみた。
スマホの使用頻度が高くなる中、利用者がもっとも気にするのは電源の確保だろう。モバイルバッテリーなどを携帯しているユーザーも多く、たまたま乗車したバスに充電ポートがあればうれしくないはずがない。都営バスでUSB電源ポートを利用した乗客には好評のようだ。
そもそも東京都交通局からUSB電源ポートを設置したというリリースはなく、あくまでも実証実験中と都の担当者。10月中旬から渋谷営業所が運行している系統で1台のみを運用している。電源付き路線バスは全国的にまだまだ珍しい施策だが、西東京バスなど一部のバス会社では「電源バス」導入の実績はある。
西東京バスは2015年7月から「電源バス」の運行を開始している。サービス向上の一環として三菱ふそうトラック・バス、いすゞ自動車首都圏、東京日野自動車に開発を依頼し、一般路線バス車内での無料充電サービスを提供している。電源は中扉後部の窓側座席に中型車では8個、大型車では12個設置され、あくまでもケータイやスマホの充電向けでPCなどの利用はできない。西東京バスによると利用者からの評判も上々で、最近はコンセントだけでなくUSBポートも開設したとのこと。
都営バスのUSB電源ポートは車内に5カ所、降車ボタン近くに設置した。車両を新規に開発したのではなく、降車ボタンの電源を利用した。利用状況は職員が乗り込んで目視によりチェックしており、データは集計中だが手応えを感じているという。年度末までは実験を続けるが、その後の予定は未定と担当者。都営バス全路線で電源ポートが常設することになれば、車内の利用状況も変わりそうだ。
一部の新幹線の座席にはモバイル電源用のコンセントが付いているおり、長距離の移動では利用者も多い。夜行バスでも電源が確保できることは必須となっている。路線バスでも常設が当たり前の風景になるかもしれない。
ちなみに電源とともにスマホユーザーが気にする電波問題だが、都営バスでは全路線で無料Wi-Fiサービスを実施している(一部、他社との共同運行系統や山間部は除外)。
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