自称プロの真田幸村ファン、みかめです。
NHK大河ドラマ『真田丸』振り返り4コマ、今回は第45話の「完封」から。
真田丸、完封! 気持ちのよい完全勝利でした!
幸村は徳川方の上杉・真田勢との戦いを避けるため早期の会戦を決意。初陣の嫡男・大助に敵を挑発する役目を与えます。第一次上田合戦の幸村の姿が思い出されますね。九度山育ちで戦を知らない大助くんの「高砂」は父上のそれに比べてとても上品でした(笑)。
思えば真田方はいつも敵を挑発し、城に引き寄せて倒す戦法を取ってきました。
第一次上田合戦では、
第二次上田合戦ではさらに工夫を凝らし、
真田丸の戦いは幸村が経験した2つの戦いの応用であるといってよいでしょう。
大坂冬の陣における真田丸は上田城における戸石城のような役目。総構えのすぐそばにあり連携がとりやすく、「逆襲拠点」として十分に機能しています。家康が嫌がるのも無理はありません。
そして……戦に勝つために最も大事なのは「人の心」を操ること。木村重成に向かって幸村は言います。「敵を1つの塊と思ってはならぬ。しょせん人の集まりじゃ」と。寡兵である真田は敵の油断や怒りの感情を操って勝利をつかんできました。功名心に焦る前田勢をたき付け、己の策の範囲に誘導する。どんな大軍に囲まれても、相手の置かれた状況、思惑をつかめば、必ず必勝の策が導き出されるのです。
ところで、「真田丸」の真田丸ではエキストラの安全と演出を大事にし、堀を緩やかにし、堀の中の柵と障子堀を割愛したそうです(番組公式サイト参照)。もしフル装備の真田丸だったら、さらに死体の山を築いていたかもしれませんね(余談ですが筆者は拙著『ふぅ〜ん、真田丸』にて障子堀と柵のある真田丸を描いています。実現しなかったのが悔やまれます……)。
さて、今回取り上げる書籍は「『東国の城』の進化と歴史」です。
「東国の城」14城を緻密な復元イラストで再現し、なぜその構造になったのかを軍事的な観点で解説しています。この本を読めば真田丸に一本道が造られた理由、そして一本道がジグザグになった理由がおのずと分かるようになるでしょう。荘厳な天守、石垣がスタンダートとなりつつある時代に、なぜ「土の城」で真田丸が完封することができたのか。気になる方にオススメしたい一冊です。
ちなみに本書のスピンアウトアプリ「ぽちっと深大寺城」が現在公開中です。本の内容が対話形式で分かりやすく解説されています。1城だけ無料でお試しできるのでチェックしてみてはいかがでしょうか?(有料版は12月配信予定)
「真田丸」振り返り4コマは毎週火曜日更新予定です。次回もどうぞお楽しみに!
12月23日 トークイベント「信繁と幸村の2016年をふり返る」
第1部「今こそ語りたい第2次上田合戦と大坂の陣」…西股総生(『真田丸』軍事考証役)
〜 コース番号 C2021−098 入場料:1000円
第2部「サブカルで楽しむ歴史とドラマ」…西股総生・みかめゆきよみ・磯部深雪
〜 コース番号 C2022−098 入場料:500円
日時:12月23日 14時から15時/15時30分から17時
場所:新宿クラブツーリズム(西新宿駅前・新宿アイランドウィングビル)
「真田丸」における真田丸の構造や「全部こんな感じ」の昌幸兵法書を読み解くトークイベントです。ぜひご来場ください!
(みかめゆきよみ)
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