2015、16年に公開され、圧倒的なリアルさで話題を呼んだCGの女子高生Saya(関連記事)。幕張メッセ(千葉県千葉市)で開催されている「CEATEC JAPAN 2016」にて、その動画が初披露されるということで、足を運んできました。
Sayaの映像が公開されているのは、シャープのブース。8K画質になっており、同社製のモニターが使用されています。出展に参加した社員によれば、人間が感じる明るさを再現するHDR技術も採用しており、「この条件で動くCGが公開されるのは世界初かもしれない。映像制作に膨大な労力がかかるため、少なくとも極めてまれな事例」とのこと。
夫婦で3DCGの制作を行うユニット・TELYUKAとシャープのコラボが決定したのは、今年2016年春のこと。これまでWeb上に公開していた静止画はHD画質で、8K画質に調整する下準備に大きく時間を割きました。映像化に着手したのは8月から。東映ツークン研究所の協力のもと、モーションキャプチャーを行いました。精度が高まり人間らしく見えることで、かえって違和感が増してしまう"不気味の谷現象"を克服し、より本物の人間に近づけることを目指したそうです。
約1分半の動画のうち、動いているSayaが見られるのはわずか数十秒ほど。短時間ではありますが、CGらしさのない自然な動きや表情は、衝撃的なほどリアルです。美術館でこちらに向かって微笑むシーンの背景の大部分は実写なのですが、まったく違和感を覚えません。「実はSaya、本物の女子高生だったんです」ってウソをつかれたら、信じちゃう気がする。
TELYUKAによれば、Sayaの完成度はまだ40%程度とのこと。絶えずバージョンアップを行っており、今なお手を加えているそうです。いったい、どこまで作りこむつもりなんですか! さらに開発が進んだら、新たなコンテンツをWeb上に公開する予定があるとのことで、これからも圧倒的なリアリティ(あと、かわいいところ)で注目を集めそうです。
(マッハ・キショ松)
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