鳥は飛びながら眠れることを示す初の証拠を見つけたと、ドイツのマックス・プランク研究所が発表しました。グンカンドリの脳の活動を調べた結果明らかになったとしています。
アマツバメやイソシギなど一部の鳥は数週間、数カ月という長期間ノンストップで飛べることが知られています。このためこれらの鳥は飛びながら眠れるのだろうと考えられていました。
そこで研究者はグンカンドリたちに脳の活動を量る小型の装置やGPSデバイスをつけて調査。装置をつけた鳥たちは10日間、3000キロを飛びました。
飛行記録を調べたところ、グンカンドリは日中は覚醒して積極的に餌を取る機会を探っていたのに対し、日が沈むと滑空する状態になり、脳波が数分間、徐波睡眠(深い眠り)のパターンに切り替わっていました。脳の半分だけが眠ることも、脳全体が眠ることもあるとのこと。地上で眠っているときと比べて、飛行中は脳の半分で徐波睡眠が起きていることが多いとしています。
また、まれに徐波睡眠の間に短いREM睡眠(浅い眠り)もわずか数秒見られたそうです。REM睡眠の間は筋肉の緊張が低下した状態になり、頭が下がりますが、飛行パターンは変わらなかったとしています。
グンカンドリの飛行中の睡眠時間は平均42分、対して地上では12時間以上眠ります。地上で眠るときのほうが眠りは深く長くなります。研究者は長期的には、グンカンドリがどうやってこれほどの短い睡眠で適応的行動を維持できるのかを調べたいとしています。
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