日産自動車が、子どもやペットの車内放置による事故を未然に防ぐため、「#熱駐症(ねっちゅうしょう)ゼロプロジェクト」を発足。その一環としてプロジェクトムービーを公開しました。炎天下に駐車され、高温となった車内の怖さが、嫌というほどに伝わります。
映像は炎天下に放置した車の中を、タイムラプスで約1時間半、無人で撮影し続けたもの。開始から約20分で、車内温度は30度に到達。ペットボトル飲料のキャップがはじけ飛んだり、カフェオレのストローから沸いた中身があふれ出たりと、次第に異変が起きていきます。
開始から約1時間が経過すると温度が45度にもなり、車内の異常はさらに加速。フィギュアが崩れて倒れたり、グミキャンディーが液状化したり、熱に弱いものがどんどん溶けていきます。ひええええ。
終盤はアングルが後部座席へ。素朴なクレヨン画やおもちゃの存在が、子どものいる家庭を想起させます。そして絵に添えてあったクレヨンが溶けたのち、カメラがベビーシートを写すとともに、58度もの車内温度を表示。もしここに赤ちゃんが座っていたら……車内放置による悲惨な事故をほのめかして映像は終わります。
JAF(日本自動車連盟)によると、2015年8月に発生したキー閉じ込み救援のうち、236件が子どもの車内放置だったとのこと。同団体が2012年に実施した検証では、気温35度の炎天下に駐車した車内の熱中症指数は、15分で人体に危険なレベルになるとされています。
日産自動車はこうした背景を受け、プロジェクトによる注意喚起を開始。8月6日からはカーナビに真夏日情報を配信する「真夏日アラート」も実施されます。同社のテレマティクスサービス「カーウイングス」のシステムを利用し、真夏日を迎えるエリアでの運転時に、ナビ画面に警告を表示します。
(沓澤真二)
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