「人馬一体」という言葉があるように、人は馬術をつかい、馬を意のままに操ってきた。馬にはそれだけの知能があるのだろう。しかし、これから紹介する馬は、見る人をあざむくほどの“演技”を身につけた、異色の馬なのだ。
馬の名前は、ピント。アメリカのテキサス州で暮らす、小さくて真っ白な馬だ。動画は、車の助手席から牧場を映し出しているところから始まる。一頭の白馬と犬が映しだされ、そのなかの白馬が、なんとひっくり返っているではないか。
そんなショッキングな映像が流れているなか、撮影をしている飼い主と思われる女性。「ピント! 起きて!」とひっくり返っている白馬に向かって、クラクションを鳴らしながら叫んでいる。
女性は「もう、まるで死んでいるみたいだわ」とぼやきながら、車は柵に沿ってピントに近づく。車からの問いかけにピントは、完全無視。見かねた女性は、車から降りさらに近づいていく。「起きて!」と何度も言い続ける女性。頭や脚は微動するものの、ピントはなかなか起きようとしない。
そして、数分呼びかけられて、やっと起きる気になったピント。身体を左右に振って、ぐるんと反転し起き上がった。リラックスしていたのかどうかはさておき、声を変えられても“演技”を止めないピントは、もしかすると演技派の馬なのかもしれない。
(隈崎大樹/LOCOMO&COMO)
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