地図アプリ「Googleマップ」のナビゲーションボイスが5月に入ってから変わってしまった、とSNSを中心に話題になっています。
これまで「およそ300メートル先、左方向です」など、物腰柔らかい女性の声で道案内をしてくれていた「Googleマップ」ですが、5月に入ってからは無機質なロボット声に。Twitterでは「人間味がない声になった」「ロボ声に改悪されてる」と、今回のリニューアルを嘆く声が相次いでいます。
そんな中、元「Googleマップ」の声の人本人がTwitterで顔出しメッセージを公開。5月16日現在、3700件以上のリツイートがされるとともに、多くの「お疲れさまでした」コメントが寄せられています。
編集部では元Googleマップの声の人こと、話題のバイリンガルアナウンサー野口美穂さんにコンタクトを取り、お話を伺いました。
―― Googleマップの元声の人として話題になっています。
野口さん ありがとうございます。皆さんからいただいた反響に驚いています。
―― どういった経緯でGoogleマップのナビゲーションボイスをされていたのでしょうか。
野口さん 実は、このお仕事を依頼されたのは、海外ナレーションを請け負う会社だったので、どこに使用されるか知らなかったんです。
―― 収録時はGoogleマップに声が使用されると知らなかったのですか?
野口さん はい、当初はGoogleさんに使用していただいていると知りませんでした。収録からしばらくたった2012年の12月ごろに「これ、私の声じゃない?」と気が付きました。
―― Googleマップの声に採用されていかがでしたか。
野口さん 素直にうれしかったですね。そしてビックリもしました。
―― 今回のナビゲーションボイス、リニューアルについてはご存じでしたか。
野口さん いいえ、知りませんでした。でもナレーション業界ではよくあることです。
―― そうなんですね。変更後の反響はいかがでしたか。
野口さん たくさんの方から「ありがとう」や「お疲れさま」のコメントを頂いてビックリしました。中には救急隊員の方からのコメントもあって、いろんな方の役に立てていたのだなと誇らしく思いました。
―― 野口さんの声でGoogleマップを愛用されていた方々に一言お願いいたします。
野口さん 年齢を問わず、たくさんの方の道案内を安全に届けられて嬉しかったです。ナビゲーションの声は変わりましたが、これからも皆さんが道に迷わないようにと願っています。またどこかで私の声を聴いていただけるよう努力してまいります。
野口さんは、カンヌ国際映画祭の英語司会などで活躍する日英フランス語司会者。「Googleマップ」以外にも大手企業の電話音声案内などを担当しています。取材時にも優しい声のトーンで、質問にもひとつひとつ丁寧に答えてくださり、「あぁ、やっぱりGoogleマップの声はこの声だ」と思いました。
最後に野口さんに、「もしGoogleから復活のお声がかかったら?」と尋ねたところ「喜んでお受けさせていただきます」とのことでした。Googleさん、いかがですか……?
(画像提供:BilingualMC.jp)
(Kikka)
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