太もものスキマに揺れる繊細なゴールドチェーンやリング。「TGap Jewellery(T=Thighs、太もものスキマのジュエリー)」と題する、太もも用のジュエリーサイトが議論の的となっています。
サイトを作ったのは、シンガポール国立大学で工業デザインを学ぶウェブデザイナーSoo Kyung Baeさん。スレンダーな女性の下半身の写真が並ぶ、ちょっとショッキングなビジュアルながらも、白を基調としたシンプルなデザインで落ち着いた雰囲気。女性が見ても抵抗のないおしゃれなサイトでは、1点180〜190ドルの値段がつけられたハンドメイドのジュエリーのラインアップが閲覧できます。
このサイトは実はフェイク。ジュエリーを購入しようとすると、「太もものスキマ」を渇望する危険や無意味さについて注意を促す別サイトに飛ぶ仕組みになっています。
このようなイニシアチブのきっかけは、若い女性の間で流行っているハッシュタグ「thighgap」や「thinspo」などの、ソーシャルメディアに見られる、細いボディを追求する危険な風潮にあったそう。
3年ほど前から始まったこれらのハッシュタグで、「太もものスキマ=理想的なボディ」のイメージに縛られた世界中の若い女性が、目標達成のためにアドバイスを交換したり、自撮り写真をアップしたりしています。
「とんでもない製品を作ることで、若い女性に無駄なプレッシャーや強迫観念を強いる社会に疑問を投げ、ソーシャルメディアにあふれる非現実的なボディのイメージについて議論するきっかけを作りたい」と訴えるSoo Kyung Baeさん。サイトを開設した3月22日以来、100を超えるコメントが寄せられ、「挑発的」「バカみたい」などの否定的なものよりも、「素晴らしいアイデア」「考えを広めるクリエイティブな方法」と賛同する意見が優勢のようです。
「太ももジュエリー、いいかも」なんて思ってしまったら危ないですよ。
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