「フィンセント・ファン・ゴッホ」の波乱に満ちた人生を自身の油絵のタッチを用いて長編アニメ映画化するという、これまでにない壮大な試みが現在進行中です。映画のタイトルは「Loving Vincent」。イギリスの映画会社「Breakthru Films」と「Trademark Films」の共同制作で、2016年公開予定です。
近年映像作品におけるペイントタッチの表現は、コンピューターを用いた画像処理が主流となっていますが、同作は85人に及ぶ油彩画家が、ゴッホの技法を用いてキャンバスに1枚ずつ描き上げています。1枚の絵が通常のアニメでいうところの1枚のセル画にあたるため、 この長編映画では実に6万2450枚もの油絵が必要になるといいます。
映画のストーリーは、ゴッホ自身が書いた800もの手紙をもとに、彼の人生に影響を与えた人々や、彼の予期せぬ死をもたらした事件を描いたもの。また劇中では120を超えるゴッホの作品も登場します。
映像美もさることながら、数々の名作にまつわるバックグラウンドストーリーとともに、アニメという誰にでも親しみやすい形で鑑賞できる作品。日本での公開も期待されます。
(Jun)
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