オマーンの遺産文化省がイギリス企業との共同調査で、大航海時代のヴァスコ・ダ・ガマ艦隊のものと目される難破船を発掘したことが分かりました。
難破船が発見されたのは、オマーンはドファール地域の沖合。船内からはポルトガル王室の紋が刻まれた銅合金製の円盤や、1495年から1501年の間にリスボンで流通していた硬貨、船の建造年を示唆する「1498」の文字が刻まれた、青銅の鐘などが発見されています。これらの証拠から、研究者はこの難破船を、1502年から1503年に行われた、ヴァスコ・ダ・ガマ第2回の航海で用いられたものと推測。仮説が実証された場合、難破船は過去に発掘された大航海時代の船のなかで、最古のものとなります。
第1回の航海でインドへの航路を発見したヴァスコ・ダ・ガマは、第2回の航海でインド上陸を達成。これが16世紀におけるポルトガル海上帝国の基礎となりました。そのような時代の遺物が新たに発見されるのですから、今もなお海の奥底には、古代のロマンが眠っているのでしょう。
(沓澤真二)
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