「誤発注してしまい大量の商品が納入された。助けて」――ネットに拡散されるや購入希望者が集まりなんとか売り切ることができたという話を時々見かける。善意か興味本位かはさておき、あらためてネットの力が分かるほっこりした話だ。
3月9日、兵庫県明石市のローソンでコーヒー牛乳を9本のつもりが900本発注してしまい半額で販売しているとの情報が拡散された。過去にはコンビニ以外にも学校の購買部や生協などでミルクティや焼きプリン、ポッキーなどの誤発注がSNSで拡散されあっという間に無くなったと話題になっている。
だが、果たしてこうした誤発注はありえるのだろうか? 5個や10個ならまだしも通常時の100倍の数が発注されればシステム上なにかしらアラートなりエラーが出るのではないか? 拡散された誤発注に関するツイートにもリプライで疑問を呈する声があった。
ローソンに取材するとシステム上、明らかにいつもと違う数字が入力されるといわゆる異常値として発注数を確認するようアラートが出るとのこと。ただし、人間が関わっている以上、誤った数字を入力することもあるしアラートを見逃してしまいそのまま発注してしまうこともあるという。店舗によっては季節要因や近所のイベントなどで大量に一部商品を発注することもあるため、アラートが出たからといって発注できなくするようなことはせず、各店舗の裁量にまかせているそうだ。今回のケースでいえば店舗側のうっかりミスとのこと。店頭のポップで事情を察した第三者が善意でツイートしてそれが拡散した。
ちなみにセブン-イレブン、ファミリーマートにも取材したが、ローソン同様発注は各店舗にまかせており、チェック機能は各社違えど、発注制限などを設けていない商品もあるため、誤って発注されることはありうるとの回答を得ている(ファミリーマートは商品によって数量制限しているものもある)。
価格の設定も一部商品以外は各店舗にまかされているため、今回のような半額という設定も大量の商品を売るための苦肉の策だったようだ。なお、誤発注してしまったコーヒー牛乳はほどなくして完売することができたという。
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