「半年間ずっと迷路だけ描いてました」――なるほど。しかし一体誰がここまでやれと……。巨大迷路を描く過程を撮影した動画がとてつもなく壮大です。
動画を再生してから5秒間ぐらいは「あー、ちょっと凝った難易度の高い迷路ね」「こういう迷路、学校で休み時間に書いている人いたなぁ」ぐらいに軽く見ていたのですが、その甘い考えは徐々に裏切られていくことに。とにかく描く、描く、描き足す、増える、広がる。大陸の誕生や、宇宙の始まりを見ているかのような気分になり、気が遠のきかけます。これは狂気? いや、この根気強さは情熱。かっこいい。
A0サイズ(841×1189ミリ)の紙に立ち現れていく新世界。ここまで複雑になると、もう途中から解けなくなっているんじゃないの? と疑いたくなるレベルですが製作者のぴろぴとさんは「全部ちゃんと迷路になってます。分かれ道もいっぱいあります」「全ての道は必ずスタート地点と繋がってますということだけは言いたい。ただ穴埋めだけしてるような部分も全てちゃんと正規ルートの道を引っ張ってきて書いてます」とコメント。きちんとゴールにたどり着けるという希望も用意されているのです。すごい……。
迷路は細かな部分のデザイン性もバツグンで、6分間ただひたすら迷路を描く動画にもかかわらず、飽きずに見られます。そして見事完成した迷路はさながらアート作品!! 狂気、情熱、そして驚がくからの感動は心が浄化されていくような感覚にすらなります。素晴らしい作品をありがとう……ありがとう……と、拝んでいたのもつかの間。動画の最後には衝撃のラストが待っていたのです。
思わず「ひっ」と声が出てしまいましたが、その様子はぜひ実際に動画で確かめていただきたい。おそらくアートとは、芸術とはかくなるもの。我々が見ていたものは全て白昼夢なのかもしれません。
(高城歩)
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