サメが泳ぐ海の中、杖を持ってたたずむ女性――まるで羊飼いが羊を導くようにサメを導く女性を描いた写真「Shark Shepherd」がステキです。合成でなく、サメが泳ぐ中で撮影したのだからすごい。
写真を撮影したのは、サメの保護を提唱している写真家のBenjamin Von Wongさん。シャークダイビングで有名なフィジーで、実際にサメが泳いでいる海の中にモデルを固定して撮影しました。撮影風景は動画でも公開されています。サメにモデルが食べられるのではないかとヒヤヒヤしますが、Von Wongさんによるとそんなことはなく、サメたちは公園のリスのように興味を持って近くを泳ぎまわるけど、人が近づくと離れていくという様子だったそうです。
Wongさんは、映画などで凶暴な生き物として描かれるサメのステレオタイプを打ち破り、サメと共存できることを示す作品を作りたかったとしています。
Wongさんのブログには撮影の苦労がつづられています。1日のうち、撮影のチャンスはサメが活発に活動する2時間だけ。撮影は3日間、合計6時間かかったとのこと。また突然動いてサメを驚かせてしまわないように気を遣い、モデルは撮影のチャンスが来たらマスクを外してできるだけ長く息を止めてポーズをとっていたそう。そうした苦労から、まるで海の女神のようにも見える神々しい写真ができあがったのです。
Wongさんは絶滅の危機にあるサメの保護を目指し、サメの保護区をマレーシアに作るためのオンライン署名も展開。Shark Shepherdはそうした活動のプロモーションになっています。
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