青森県内の学校訪問のたびに「ラブライブ!」でおなじみのポーズ「にっこにっこにー」を決めていることが話題になった青森県の三村申吾知事(59歳)(関連記事)。知事はラブライバー(同作ファンの総称)ではないかとネットでうわさになっていましたが、このたび県の観光国際戦略局観光企画課への取材で、知事はアニメ「ラブライブ!」を見たことがない事実が分かりました。しかし矢澤にこや「にっこにっこにー」には思い入れがあるという、特異な状況にあるようです。
三村知事が「ライブライブ!」を知ったのは、青森県が2015年8月に運行した「ねぶた・ねぷた祭り」と「ラブライブ!」のコラボねぶたがきっかけ。実施に当たって事前に観光企画課から、キャラやストーリーの概要の説明を受けました。
「にっこにっこにー」と出会ったのは、8月1日に「弘前ねぷたまつり」のコラボねぶた出発式で来賓として参加したとき。知事は「ラブライブ!」の法被(はっぴ)を着ながら地元の運行関係者を激励し、ねぶた前で記念撮影に臨みました。その際に「ラブライブ!」をよく知る県職員から、作品の素晴らしさ、矢澤にこというキャラが「にっこにっこにー」のポーズを取ること、そしてポーズには「みんなを笑顔にする」意味が込めらていることを教えてもらい、初めて「にっこにっこにー」を決めたそうです。県職員さん、にこ推し(断定)。
その後「五所川原立佞武多」(8月4〜9日)で知事は、矢澤にこ含む3年生メンバーのコラボねぶたを見つけて「にこちゃんだ」と指さし、「にっこにっこに〜」のポーズを取っていたなど、ポーズや矢澤にこへ強い思い入れが芽生えていたもよう。観光企画課も「矢澤にこさんについては、知事の中に深く印象付けられたと考えられます」と推察しています。
ねぶた祭が終わってからも知事は、「ラブライブ!」は若者に人気があることから、中高校生と語らう場面でコミュニケーションツールとして「にっこにっこにー」を披露。また矢澤にこの意図にも共感し、「みんなが笑顔で元気になれるように」と各所でポーズを決め続けているとのことです。
アニメは見ていないですが、周囲から作品の概要や一部詳細を教えてもらった結果、矢澤にこ推しに等しい行動を取り続けているシュールな状況。三村知事をラブライバーと呼ぶかは人それぞれでしょうが、大勢の前で「にっこにっこにー」する気さくさと度胸には、ついハートがにこにこにーしてしまいます。
(黒木貴啓)
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