雑誌「DAYS JAPAN」が、原発事故で人が住めなくなった被災地として紹介していた写真について、説明に誤りがあったとして謝罪した。
問題の写真は一面草の生えた場所に多数の車が並んでいる様子を上空から写したもの。同誌2015年12月号の「原発事故が奪った村」という記事に「福島県双葉町」の写真として掲載され、「人々が乗り捨てて逃げた車が、4年半の歳月を経て草に覆われていた」とキャプション(説明文)が付けられていた。
しかしネットで、撮影された場所は双葉町ではなく、震災前から車の廃棄場になっていたとの指摘があった。これを受けデイズジャパンは、乗り捨てられた車ではなく、事故前から廃棄されていた車だったことが判明したと報告し、また福島県双葉町ではなく正しくは福島県双葉郡富岡町だったとして訂正した。
同誌の編集部はこの写真を写真家のホームページで見つけ、掲載許可を得た。その際に写真のキャプションを送るよう依頼したが、締切ギリギリだったこともあり編集部でホームページを参照して書いてほしいと言われたという。「車が汚染されたため住民が放棄したと思われる」とのホームページの記述を参照してキャプションを書いたが、写真家が「思われる」としていたのを編集部が断定形で書いたことは間違いだったと述べている。また写真家のホームページでFUTABAと書かれていたため双葉町と記載したと説明している。
「編集部の事実確認の甘さが招いた今回の結果を深く反省し、今後は事実確認を徹底し、正確な報道をおこなうように編集部内の立て直しをはかって参ります」と同誌は謝罪している。
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