6月の公職選挙法改正法によって選挙権年齢が満18歳以上に引き下げられました。18歳も19歳もさっそく来夏の参議院選挙から選挙に参加できるのですが、投票の仕方など仕組みがまだわからない人も多いはず。この流れを受け文部科学省が、政治や選挙に関する高校生向けの副教材を作成し、9月29日に公式サイトで公開しました。
タイトルは「私たちが拓く日本の未来 有権者として求められる力を身に付けるために」。学校での補助教材を想定した一方、高校生自身が自分で政治や選挙の知識を得られるよう基礎知識や実践方法がわかりやすくまとめて作られています。
投票方法の解説では、候補者や政党の情報をどうやって調べればいいかを紹介。Q&Aでも「投票日の日曜日は部活動の試合があるため、投票には行けません。どうすればいいですか」「部活動の帰りに投票しようと考えていますが、持ち込んでいけないものなどがありますか」など、高校生目線のさまざまな疑問と回答が用意されていました。
<解説編>
第1章 有権者になるということ
第2章 選挙の実際
第3章 政治の仕組み
第4章 年代別投票率と政策
第5章 憲法改正国民投票
<実践編>
第1章 学習活動を通じて考えたいこと
第2章 話合い、討論の手法
(1)ディベートで政策論争をしてみよう
(2)地域課題の見つけ方
第3章 模擬選挙
(1)未来の知事を選ぼう
(2)実際の選挙に合わせて模擬選挙をやってみよう
第4章 模擬請願
第5章 模擬議会
<参考編>
第1章 投票と選挙運動等についての Q&A
第2章 学校における政治的中立の確保
第3章 調べてみよう
教材によると「私個人の力では、政府の決定に影響を与えられない」という考え方について、日本の高校生の80.7%が「全くそう思う」若しくは「そう思う」と答えたそうです。なにやら選挙権とやらを得てしまった……と戸惑っている高校生は一度目を通し、自分が社会でどんな力を手に入れどうやれば使えるのか知っておくといいかもしれません。
(黒木貴啓)
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