シヤチハタのXstamperが今年で50周年。そのことを記念し、シヤチハタ印を人物に模したハートフルな物語がYouTubeに公開中です。主人公はちょっと冴えないサラリーマン「伊藤」君、年齢は50歳。「私は、私が嫌いだ」、そんな呟きから動画は始まります。
満員電車に揺られる伊藤くん。「この満員電車に揺られる日々は、あと十年か……」「この年でまだ平社員だし、せめて課長くらいには……」と、なんだかネガティブな考えをしてしまっているようです。
会社につくと、「不合格」のハンコを押された報告書を渡され、部長から叱られる伊藤くん。「まるで自分自身に不合格の烙印を押されたみたいだ」とうなだれた様子。
しかし、「あれ……この感じ、前にもあったような……」と25年前の事を思い返していきます。屋上で「不合格」を押されたことで落ち込んでいた25年前の伊藤くん、そんな彼に「まーた不合格だったんだって?」と声をかける「河合」さん。「でも、徹夜で頑張ってたよね」「何かに必死になれる人って、いいけどね!」と好意を示してくれます。
「しっかりものの女の子というのは、冴えない男をほっとけないものらしい」とつぶやく伊藤くん、いつしか隣にはもう一人の「伊藤」そして2人の間には更にもう一人、小さな「伊藤」が。「こんな私が、ごく普通に幸せなのは妻と娘のおかげでしかない」と語る伊藤くん、なるほど、河合さんと結婚して、子どもも生まれたのか!
ある時、自宅の玄関先で伊藤くんは妻と娘に出くわします。「どうしたの?」と声をかけると「この子、すごい熱なの!」と心配そうな妻。焦った伊藤くんは「コンビニの向かいの病院!」と急ぎますが、妻は「あなた、そっちは歯医者よ」と冷静。「私に任せて」と2人を病院へ連れて行きます。
治療を終えた子どもを連れ、外を歩く3人「俺ってホント……ごめん」とうなだれる伊藤くん。「すごい必死で歯医者に……ふふっ」と妻に茶化されますが、「私ね、いざという時必死になれる人、好きよ」と声をかけてくれます。
「私は、私が嫌いだ。でも、こんな私を『合格』としてくる人がいる。そんな人と一緒にいられるなんて、ごく普通なんかじゃない。すごく幸せだ」年齢を重ねた今、その事を思い出した伊藤くん、ようやく笑顔を取り戻した様子です。そんな伊藤くんの笑顔につられて部長も笑ってしまいます。
シヤチハタ印を人物に見立て、音や光で情景を浮かばせてくれる見事な演出。暖かいストーリーで「明日から自分も頑張ろう」と思わせてくれるムービーでした。
(イッコウ)
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