佐賀県武雄市の教育委員会は9月11日、カルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)に運営を委託している武雄市図書館の蔵書購入について批判されていた件についてコメントを発表した。
2013年4月のリニューアルに際して購入した蔵書に、ガイドブックや10年以上前の試験対策本が混じっており、「図書館らしくない」との指摘を受けていた。これらはCCCが選書し、当時同社が出資していた中古書店ネットオフなどから購入していた。
市教委は、書架に落下防止の柵を設置するなどの安全対策が緊急に発生したため、中古本の購入により図書購入費を当初予定額から抑えたと説明している。委託は「双方協議の上、仕様書に基づき行われたもの」としつつも、十分に説明ができなかったとして謝罪している。
CCCもこの件についてコメントを発表しており、リニューアル開館から今年9月9日までの約2年半で一度も借りられていない蔵書が1630冊ある事を明らかにしている(関連記事)。「より精度の高い選書を行うべき点があった事を反省」し、これらの蔵書と同等の冊数を新たに選書し寄贈するとしている。教育委員会は寄贈の申し出について、CCCの姿勢を受け入れる方向で協議すると述べている。
なおCCCへの業務委託契約をめぐっては、違法であるとして樋渡啓祐前市長に1億8000万円の損害賠償を求める訴訟を住民が起こしている。市教委は係争中であるために説明が遅くなったとして謝罪している。
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