東京・渋谷にある旧東横線渋谷駅の跡地とその周辺敷地に、地上35階地下4階建て・高さ約180メートルの超高層ビルを2018年秋開業予定で建設すると、東京急行電鉄が発表しました。今年8月から同社および東横線隣接街区の権利者が工事へ本格的に着手します。
計画名は「渋谷駅南街区プロジェクト」。ビルの位置は、JR渋谷駅東口を出て代官山方面へと国道246号を渡った先、渋谷警察署から明治通りを挟んだ向かい側あたりです。内容としては、低層部には飲食店を主とした商業施設と、“エンタテイメントシティSHIBUYA”を意識した多目的ホールなどを配置。中層部には東急ホテルズによる約180室のホテル、高層部には貸床面積約4万5000平米のハイグレードオフィスを設けます。
東横線渋谷駅は2013年に地下化され、それまで利用されていた旧駅の高架線路が現在も国道246号をまたいでいます。今度の計画ではこれを活用した歩行者デッキや、地下2階から地上2階にわたる立体広場空間(アーバンコア)などを整備。東急線、東京メトロ線、JR線の各線と接続することで、国道246号で分断された渋谷の街を繋ぎ、新しい人の流れを創ろうという趣旨です。
ほかにも東京都や渋谷区と連携し、渋谷川の清流復活水を使った「壁泉」による水辺空間や、約600メートルにわたる緑の遊歩道なども整備します。渋谷から代官山方面へと緑と水のネットワークをつくることで、街のにぎわいを繋げる狙いがあります。
ビルの高さは、高層複合施設・渋谷ヒカリエの地上182.5メートルとほぼ同等。またすぐ隣となる旧東横線渋谷駅の跡地では、地上約230メートルの超高層ビルの建設も2019年開業予定で進められています(関連記事)。東京五輪の開催時期の前には、渋谷駅周辺に超高層ビルが立ち並ぶ姿が見られそうです。
(黒木貴啓)
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.