車が行き交う五条大橋の上で、弁慶と牛若丸の戦いが勃発。現代の風景に歴史的事件をスマホの画面越しで発生させるARアプリ「Time A Scene(タイム・ア・シーン)」が、日本の観光をより充実したものにしてくれそうです。
「Time A Scene」はスマホ用アプリ開発会社・Kuaddコーポレーションが製作。GPS機能とAR技術によって、歴史的な出来事が起きた現場でスマホのカメラをかざすと、画面に写った目の前の風景にその出来事の3DCGアニメーションが流れます。
例えば東京・霞ヶ関にある桜田門でアプリを使うと、1860年の大事件「桜田門外の変」のアニメが門の前でスタート。江戸幕府の大老・井伊直弼を運ぶカゴに向かって複数の侍が襲撃します。「天誅ー!」という叫び声や刀で打ち合う音などセリフ・効果音・BGMまで付いていて、まるでタイムスリップしたかのような臨場感が!
アニメの再生中は画面に入って記念撮影も可能。例えば香川県の牟礼浜では那須与一が扇に矢を射る横でポーズを撮れるなど、これまでと違った名所めぐりが楽しめそうです。
開発済みのアニメは現段階で4種類で、公式サイトでは今後製作していく予定のタイトルが約50種類公開されています。北海道「五稜郭の戦い」では土方歳三の最後の戦いが、岐阜県「関ヶ原の合戦」では総勢15万人の大スペクタクルが流れる模様……どれもワクワクする!
アプリは現在、個人ではなく旅行会社など観光に携わる企業に向けて販売中。Google PlayとApp Storeでは扱わず公式サイトから契約する形をとっており、価格についても検討中だそうです。
(黒木貴啓)
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