2ちゃんねる専用ブラウザ 「Jane Style」を展開する、大阪のソフトウェア会社ジェーンが、2ch.netの運営元であるRaceQueen社と「2ch.net専用ブラウザに関する業務委託契約」を結んだと発表しました。2月16日に「2ch.net専用ブラウザの開発者の皆さまへ」と題した文章を公開しています。
それによると、2015年3月3日以降、2ch.net専用ブラウザを開発・公開するには、RaceQueen社の許諾を得て、“2ch.netが提供するAPI”を用いる必要があり、ウェブスクレイピング(サイトから任意のデータを抽出すること)による開発は禁止になるとのこと。また、大きな方針転換として、これまで可能だったdat(2chの過去ログ倉庫)へのアクセスが近日廃止となるそうです。
同社は、RaceQueen社からAPIの使用許諾を得たほか、「一部の専ブラ開発者に対し、APIを使用許諾する権限」があるとして、以下の条件を提示し、上記サイトで利用申請を受け付けています。
2014年7月11日時点で専用ブラウザを一般公開していた開発者
Windows, Mac, Linuxでネイティブアプリとして専用ブラウザを公開している開発者
App Storeで専用ブラウザを公開しているiOSアプリの開発者
Google Playで専用ブラウザを公開しているAndroidアプリの開発者
ウェブアプリケーション型の専用ブラウザの開発者
JavaScriptで開発された専用ブラウザの開発者
RaceQueen社からAPI使用許諾を付与しないとの連絡を受けた開発者
専用ブラウザではない2ch.net関連サービスの開発者
これに対し、一部の2ch住民からは「個人情報を渡したくない開発者は退場しそう」「オープンソースの専ブラはアウトか」「専ブラではないツール類(必死チェッカーなど)は?」などと疑問が続出。実際に、chaika(Firefoxに2chブラウザ機能を追加するアドオン)開発者が「新APIの利用許諾を得られなかった」と告白したり、ギコナビ(古参ブラウザ)開発者が「恐らくプロジェクト自体がこれで終了」と告知するなど、古くからの住民に不利益が生じているようです。また、「嫌儲レス検索(ニュース速報嫌儲板の検索サイト)」も対策は行わないそうです。
しかしながら、2ch管理人のジム・ワトキンスさんは今回の変更について、住民と交流するスレッドで、「あくまで開発者向けであり、一般ユーザーに影響はない」と断言。「(ジェーンがAPIの許認可権を握ることについて)自由に専ブラを開発できなくなる懸念がある。もしかして、ジェーンは使用権を持っているだけで、独占使用権を持っているわけではないのか? 」との質問には、「You must be crazy そんなことは起こっていない。根拠のない噂をまき散らそうとしているのか」と立腹していました。
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