3月7日、首都圏3環状道路の1つ「中央環状線(C2)」が全線開通するにあたり、山手トンネルの新規開通区間(大橋JCTから大井JCT)がマスコミ向けに公開されました。
今回公開されたのは、大橋JCTから大井JCTまでの中央環状品川線山手トンネル。総延長は大井JCT付近のトンネル区間と合わせると18.2キロメートルとなり、高速道路のトンネルでは世界最長となります。ちなみに、現在日本最長の関越トンネルは約11キロメートル、一般道の世界最長は、ノルウェーのレアダールトンネルの約24.5キロメートルです。
出発場所は、五反田にある入口。すでに道路はほぼ完成済みで、山手通りの中央分離帯にある工事現場から入っていきました。
地上にある交通標識などはまだ白いままでしたが、トンネル内の料金所や標識はすべて営業時の状態となっていました。営業開始後は、24時間365日車が走る場所を歩いているというのは不思議な感覚でした。
五反田にある料金所付近に集合後、バスで大橋JCTまで移動。大きな分岐の看板前で開通カウントダウンセレモニー、工法の解説などが行われました。そして、いよいよトンネル内にある各設備を歩いてまわります。
トンネルは、大小4つのシールドマシーン2組が同時期に掘り、山手通り地下に上下2路線を完成させました。驚きなのは、横に並んだ2つのトンネルを地中でつなげる技術。2つのトンネルの間隔は約50センチメートルで、その2つを段階的につなげていき、1つの楕円形のトンネルを完成させたそうです。また、上下のトンネルの間隔もわずか1.3メートル。工事にあたっては、機械だけでなく人力作業の工程も多かったとか。世界最長の手作業……。
中央環状線は、都心環状線の外側を通り、首都高の池袋線、新宿線、東名高速、湾岸線などに接続。新宿から羽田空港までの区間は40分から20分に、美女木JCTから羽田空港までは70分から40分に短縮されます。時間短縮による利便性の向上のほか、都心環状線を経由する車両が中央環状線に流れることで、渋滞の緩和なども期待されています。
(林健太)
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