11月1〜3日に開催された最強の将棋ソフトを決める「第2回将棋電王トーナメント」で、元奨励会員の巨瀬亮一さんが開発した「AWAKE(アウェイク)」が優勝し、“電王”の称号を獲得した。
同大会には全25ソフトが出場。統一ハードウェアを用いて、将棋ソフトの強さを競った。予選リーグ・決勝トーナメントの模様はニコニコ生放送で視聴できる。電王をはじめ下記の上位5ソフトは、来春の「将棋電王戦FINAL」でプロ棋士と対戦する。
電 王/賞金250万円:AWAKE/アウェイク(巨瀬亮一)
第2位/賞金100万円:ponanza/ポナンザ(山本一成、下山晃)
第3位/賞金 70万円:やねうら王 (磯崎元洋/岩本慎)
第4位/賞金 50万円:Selene/セレネ (西海枝昌彦)
第5位/賞金 30万円:Apery/エイプリー(平岡拓也、杉田歩、山本修平)
「AWAKE」の電王戦出場は初めて。昨年は決勝トーナメントで不具合が生じた(参考)影響もあり、「やねうら王」と「習甦」に敗れ出場を逃したが、それから1年で500点ほどレーティングが上昇。コンピュータ将棋対局場「floodgate」の最新成績ではトップに躍り出ていた。決勝戦は、初代電王で過去2回プロ棋士を破ったponanzaを終盤で大逆転。凄まじい激闘となり、視聴者に衝撃を与えた。
開発者の巨瀬亮一さんは15歳で奨励会(プロ棋士養成機関)に入会。その後、プログラマーとなり、来春は“将棋ソフト開発者”としてトップ棋士と対峙する。表彰式では「棋士の先生には申し訳ないが、勝負自体にはあまりこだわりがない。コンピュータを使って棋士が強くなり、プロ将棋のレベルが上がることに貢献したい」とコメントしていた。
なお、ponanza開発者の山本一成さんは、「今大会に優勝したらクラウドファンディングで羽生名人と戦う道を模索する」とブログで告知していたが、AWAKEに敗れたことで断念することになった。
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