気象庁は9月28日、御嶽山で27日に発生した噴火について、火山噴火予知連絡会拡大幹事会の見解を発表した。
今回の噴火では、地獄谷付近で樹木等が焦げたような痕跡は認められず、噴出した火山灰に新鮮なマグマに由来する物質は確認されなかったことから、水蒸気噴火であったと考えられるという。水蒸気噴火とは地下水がマグマに熱せられ、急激に水蒸気が発生することで起きる。
27日の噴火以降、山頂火口からの噴煙活動が活発な状態。火山性地震が多い状態となるなど、御嶽山の火山活動は高まった状態で推移している。今後も同程度の噴火が発生し、火砕流を伴う可能性がある。しかし衛星測位システム(GNSS)による地殻変動観測では特段の変化は観測されておらず、現時点で大規模な噴火につながる兆候は認められないとも気象庁は述べている。
御嶽山の噴火は2007年以来。1979年に有史後初めて噴火が起き、その後1991年、2007年にごく小規模な噴火が発生した。今回の噴火は1979年と同程度の規模とみられる。
気象庁は噴火に伴う噴石や火砕流に警戒するよう促し、降雨時には土石流の可能性があるとして注意を呼びかけている。
これまでに4人の死亡が確認され、27人が心肺停止の状態となっている。
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