近年、コミックマーケットの企業ブースにさまざまな業種から出展がありますが、今回のコミックマーケット86(8月15〜17日)では、ちょっと変わったところでゲームエンジン「Unity」のキャラ・ユニティちゃんのブースをのぞいてきました。
UnityはVR(バーチャルリアリティ)ゴーグル「Oculus Rift」のアプリ制作などにも用いられており、ユニティちゃんはそのキャラクターとして3Dモデルも公開されています。
Unityのブース出展についてエバンジェリストの小林信行氏にうかがってみました。
―― ゲームエンジンのUnityですが、出展に至るきっかけは?
小林 フリーソフトウェアのMMD用にたくさんの3Dモデルが公開されていますが、Unityも含めてMMD以外での使用に制約があるため、ユニティちゃんという制約の非常に緩い3Dモデルを公開しています。ユニティちゃんをコミケに来ている方たちにも使っていただこうと出展しました。
―― CGの学会など、公の場にも公開できるモデルということですか?
小林 まさにその通りです。CGの学会として歴史のあるSIGGRAPHでは、ティーポットなどの3DCGモデルが技術発表に用いられていた経緯があります(「ユタ・ティーポット」と呼ばれる。1975年にユタ大学で作られたティーポットの3Dモデルで、CGのデータサンプルとしてよく使われる)。日本からはユニティちゃんを使っていただけたら面白いのではないかと思います。
―― ユニティちゃんはUnity社内でも話題になっているとのことですが。
小林 Unityはアメリカの本社、欧州支社、そして日本支社の3社がそれぞれの地域で展開しています。アメリカと欧州ではマーケティング上の制約があり、おっさんのモデルを公開しているのに対し、日本からはかわいい女の子のモデルが出てきたため、「いいぞ、もっとやれ」という声を多く聞いています。
―― 「さすが日本! おれたちにできないことを平然とやってのけるッ! そこにシビれる! あこがれるッ!」ってことですね?
小林 さらに日本ですから、ユニティちゃんには声優の角元明日香さん(「未確認で進行形」の大野仁子役など)に声をお願いし、CDも作っちゃいました。ユニティちゃんは非営利であればほぼ制約なしで使っていただけるようにライセンスを作ってあります。3Dモデルライセンスの参考にしていただければと思います。
コミケには海外からも、日本のコンテンツを生み出す大河の源流としてたくさんの方が来ています。昨年に続いてドイツのボカロPのニコラスさんもサークル参加し、日本のファンと交流していました。
また、ドイツの実写「進撃の巨人」ファンムービーに出演したコスプレイヤーさん(サンチさん、アンシーさん)も3日間お買い物で飛び回っていました。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.