TokyoOtakuModeのインタビュー記事の日本語版を掲載しています。
「忍」「殺」の文字をニンジャスレイヤーのスケッチに描き加えたとき「雷に打たれたような、あるいは生まれて始めてロックを聴いたときのような衝撃を味わいました」とインタビュー前半でフィリップ・ニンジャ・モーゼズが語った。もう一人のニンジャスレイヤー原作者ブラッドレー・ボンドは、「世界中の人に読んでもらいたかったから」とTokyo Otaku Modeで英語版のノベルや漫画を展開する理由を述べた。
2人は世界に向けて何を発信しようとしているのか。その創作にはどのような精神性や影響が隠されているのか。その秘密を探るべく、話をさらにうかがった。
―― 日本において、ニンジャスレイヤーはTwitter連載小説として大きなヒットを飛ばしています。それについてどう思われますか? 自分たちの感性が日本人に合うと考えていましたか?
ボ サイバーパンクの聖地である日本でヒットしている事を、とても光栄に思っています。
モ 感性が多くの日本人にあうかどうかは解りませんが、とにかくこの物語は、サイバーパンクとニンジャを愛する全ての人に向けて書きました。それだけのことです。
―― この小説は日本の風習をよく調べており、時折本質を鋭くついた描写をされています(寿司についての部分など)。日本の現状をどうやって学習されたのですか?
モ 映画、コミック、TV、そして特にインターネットなどを通じてかなり精密な調査を行っています。その点、自信があります。当時(90年代中盤〜後半)はまだイメージ検索なども存在せず、大変でした。
ボ それから、日本にいる私の甥が、興味深い写真を送ってきてくれます。マグロ、Kawaii、暴走族、国会……どれも神秘的です。
―― この作品は日本語と英語を織り交ぜた独特な文体や、ミニマルに繰り返される奇声が大変特徴的です。この文体は、どういった構造を意識されて作られましたか?
ボ 映画と音楽から強い影響を受けています。コラージュですね。
モ ミニマルな繰り返しは、テクノ音楽から。突然挿入されるエキゾチックな日本語看板は、映画からです。
ボ 看板の意味はわからなくてもいい。文字だけで視覚的なケオスを表現したかったのです。
―― 日本に滞在経験はありますか? 滞在していた場合、どの場所が印象に残っていますか?
ボ もちろんありますよ。2人で取材旅行をしました。キョートとトウキョウです。
モ 温泉旅館のゲイシャが印象に残っています。
ボ ただ、これは僕らがニンジャスレイヤーを書く前の旅行ではないのです。実際には一度も訪れた事の無い状態で、ネオサイタマを書きました。
―― キャラクターの名前がとてもクールですね! この名前はどのようなものからインスピレーションを受けているのでしょうか。
ボ ありがとう。ニンジャネームは、日本の歴史上のニンジャの名前を参考にしています。そこへ、アメコミキャラの名前が持つ簡潔さの要素も組み合わせました。ニンジャの名前には潔さが重要です。
モ 日本人名についてはかなりの数が必要だったので、僕がUNIXで人名ジェネレーターをプログラミングしました。出来には満足しています。
ボ しばしば、僕たちの好きな映画俳優から取られることもあります。イシイ=サンやミフネ=サンがもちろん登場する。日本でも一般的な名前ですからね。
Tokyo Otaku Modeでは、小説に加え、余湖裕輝(よご・ゆうき)作画によるコミック版を配信中。さらには7月初旬より、Tシャツ、スマートフォンケースなど多岐にわたるグッズを世界各国に向けて販売を開始した。ネオサイタマの闇で繰り広げられる神秘的かつ血まみれなニンジャアクションを是非体験してほしい。
英文記事:Interview: "Ninja Slayer" Creators Bradley Bond & Philip N. Morzez [2/2]
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