18歳未満の子どものわいせつな写真や映像といった「児童ポルノ」の単純所持を禁じる改正児童ポルノ禁止法が、6月18日の参議院本会議で賛成多数により可決、成立しました。7月に施行される予定ですが、猶予期間として施行から1年間は罰則を適用しない方針です。
これまでの児童ポルノ禁止法では、児童ポルノを販売した場合などが処罰の対象でしたが、改正法では個人が所有しているだけでも処罰の対象となり、1年以下の懲役または100万円以下の罰金が科せられます。
改正にあたっては、現行法が「衣服の全部又は一部を着けない児童の姿態であって性欲を興奮させ又は刺激するもの」などとしていた児童ポルノの定義に、「殊更に児童の性的な部位(性器等若しくはその周辺部、臀(でん)部又は胸部をいう。)が露出され又は強調されているもの」といった内容が追加されました。これにより、対象範囲をより限定したとしています。
また、適用上の注意として「学術研究、文化芸術活動、報道等に関する国民の権利及び自由を不当に侵害しないように留意」するといった文言が加わり、「児童を保護しその権利を擁護するとの本来の目的を逸脱して他の目的のためにこれを濫用するようなことがあってはならない」と明記されました。
インターネット事業者に対する文言も新たに加わり、捜査機関への協力やファイル削除などの努力義務を示した項目が新たに設けられました。
改正内容については参議院の議案情報内にある提出法律案(PDF)で、現行法はイーガブの法令データで参照できます。国会の様子は参議院Webサイトのインターネット審議中継や、ニコニコ生放送のタイムシフト機能などで視聴できます。
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