1954年に公開され、2014年に60周年を迎える映画「ゴジラ」――そのハリウッド版である新作「GODZILLA」の日本公開日が2014年7月25日に決定し、ポスターやトレーラーなどが解禁されました。日本の配給は東宝で、2D・3Dでの公開となります。
メガホンを取るのは、「モンスターズ/地球外生命体」で評価を得た新進気鋭の映画監督・ギャレス・エドワーズさん。ゴジラシリーズのファンを公言している同氏のもとで作られる新作は、過去のハリウッド版とは違って日本版ゴジラに近いシルエットや鳴き声が特徴的です。
日本人キャストとしては、渡辺謙さんの参加が注目を集めそうです。また、1954年のオリジナル版で主演を務めた宝田明さんも出演するとのことで、どんな形での登場になるのか楽しみですね。
僕は子供のころ、ケーブルテレビで毎週金曜日の夜に放送されていた日本の特撮映画番組にのめりこんでいたんだ。
「ゴジラ」(1954)が放送されたときは、一瞬でとりこになったよ。だからこそ、この映画を作るにあたって誰よりも自分からのプレッシャーが大きかった。なんたって、これこそ人生でやりたいことだったんだから。
この映画では、もし、ゴジラが現実にいたらどうなるか? それを追求したつもりさ。これはモンスター・ムービーではない。ゴジラ・ムービーなんだ。それがすべての出発点さ。
渡辺謙は特別で、彼のような役者は滅多にいないよ。本当にすばらしい。彼は抑えた芝居で最大のものを表現している。映画のことをよく理解している。現場ではみな彼に魅了され、尊敬していた。
みんなから注目されているけれど、ゴジラのビジュアルは何カ月もかけて作ったものだからね。関わった全員が、このゴジラに満足してくれているよ。もちろん、僕も大満足さ。まだ詳しくは伝えられないけど、日本の皆にも楽しみにしていてほしいな。
ゴジラがハリウッドで映画化されることに対して、「え? いま、ゴジラ?」と思う人もいるかもしれません。でも、それを凌駕して余りあるだけのエネルギーが脚本にありました。だから喜んで参加させていただきました。
僕ら日本人はゴジラの「本家」だと思っています。その「本家」の気持ちを、ギャレスはちゃんと理解してくれていて、それを壊すのではなく踏襲してくれています。さらに、いま起こっている問題もきちっと織り込んである素晴らしい脚本でした。ゴジラという、生物に対しての興味と、現実社会のなかで起こりうる恐怖がせめぎあっている。日本の今日的な苦悩みたいなものがうまく織り込まれている気がします。
ですから、もしかしたら本当に起こりうることとして、リアルに感じて頂けるのではないでしょうか。ただのモンスター・ムービーに出るのではないモチベーションがすごくありました。「ゴジラ」は、もしかしたら、日本の僕たちが失いかけている良識とか良心とか、そういうものを描いているのかもしれません。
初めてギャレスを紹介された時「クリストファー・ノーランの再来だよ」と言っていました。全然(ノーランとは)タイプが違うんですけど、ギャレスも、素晴らしいヴィジョンを持っているし、根っこの「これをやりたい」と思った心意気みたいなものは揺るがない監督でした。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.