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やっぱ、猛々しい男に惚れるんですね

 艦隊これくしょんの10月4日のシステムアップデートで“改二”状態を実装した駆逐艦「夕立」は、なんといっても「第三次ソロモン海戦」で奮闘した戦歴で有名だ。1942年(昭和17年)11月に起きたガダルカナル島をめぐるこの海戦は、11月12日深夜の第1次戦闘と11月14日未明の第2次戦闘に分かれる。夕立が活躍したのは第1次戦闘だ。

夕立 改二

 夕立はこの戦闘で敵単縦陣の直前を横断して敵艦隊を混乱させ、その後は敵艦隊戦列に突入して巡洋艦2隻と駆逐艦2隻に雷撃と砲撃で損傷を与えた。しかし、戦闘を休止して北に離脱しようとしたところを敵の集中砲火を浴びて沈んでしまう。乱戦の単独行動だったが艦長や砲術長、水雷長といった主要戦闘指揮官が生き残った(砲術長と水雷長は戦後まで生存)ので、戦闘の経過は公式の戦闘詳報や当事者の手記、それを参考資料とした戦記、さらに、それらをまとめたウィキペディアや艦隊これくしょんWikiなどで多くの人が知るところなった。“艦これ”提督の間でも「雪風」「時雨」「綾波」とともに、“次期改二実装”駆逐艦として有力視されていた。

 乱戦の中で奮闘する夕立を指揮したのが駆逐艦長の吉川潔海軍中佐だ。駆逐艦“だけ”で経歴を積み重ねた吉川駆逐艦長は、敵艦隊発見後、自分の判断で敵前方を横切って反対側に紛れ込み、主力艦の砲撃戦開始直後に装填していた全魚雷を射出、その後も独自判断で敵戦列に突入して単独で砲撃戦を継続する。夕立の“敵前横断”が、レーダーで日本艦隊を発見して丁字戦法に持ち込もうとしていた米艦隊に混乱を引き起こして先制攻撃を許さず、その後の戦闘に大きく影響したと評価する海軍関係者や戦史研究者は多い。

 一方、米海軍艦隊(TF67.4)指揮官のダニエル・J・キャラハン海軍少将は、司令部幕僚や補佐官といった官僚的経歴が長く、そのため、正攻法的な戦術と戦闘指揮手順を重視し、指揮系統が混乱した状況にもかかわらず自分の艦隊掌握回復に時間を費やし、かつ、「奇数番艦右砲戦、偶数番艦左砲戦」といった“教科書的”命令で現場指揮官の混乱を増幅させてしまった。

夕立が何気に怖がっている「アイアンボトム・サウンド」をタイトルにしたボードウォーゲームがあったりする(写真=左)。そのアイアンボドムサウンドの第三次ソロモン海戦第1次戦闘シナリオで、戦闘開始直前の情勢を再現してみた。本来なら夕立が所属する第四水雷戦隊は本隊の8キロ先にあって複縦陣で警戒にあたるはずだったが(写真=中央)、戦闘前に行った2度の反転で陣形が崩れ、「夕立」「春雨」の第2小隊だけが本隊のすぐ前に位置している状況だった(写真=右)

第三次ソロモン海戦第1次戦闘は乱戦を極め、各艦の行動は正確に分からない。ここでは、「丸スペシャル」の解説や「丸別冊」掲載の手記、「ガダルカナル戦記」(亀井宏氏)の記述を基に夕立の戦況を再現してみた。敵発見直後に敵単縦陣の直前を横切り敵艦隊を混乱させ(写真=左)、主力艦砲戦の隙をついて敵巡洋艦戦列に雷撃(写真=中央)、その後、敵艦隊戦列を突破しながら発見した巡洋艦、駆逐艦を手当たり次第に砲撃している(写真=右)

 第三次ソロモン海戦第1次戦闘における夕立の奮戦は、ある意味、自分の判断で行動できるたたき上げの現場指揮官が、トップダウンで正統な手続きを重視する官僚的エリート提督を打ち負かした戦いと捉えることもできる。

 「響」の改二実装は、終戦まで生き残ってソ連で第2の人生を歩んだ奇異な運命の反映だったとすると、夕立の改二実装は、「勇猛果敢な駆逐艦長の存在」を考慮したものと考えてもいいかもしれない。ちなみに、吉川駆逐艦長は、「大潮」駆逐艦長としてバリ島沖海戦でも奮闘している。

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