“回らない回転寿司”がすごいとNAVERまとめで話題になっていた。なんでも、回転寿司チェーン店なのに、お寿司が店内を回らず直線のレーン上をぴゅんぴゅん走っているのだとか。斬新なお寿司システムを体験すべく、紹介されていた「魚べい 渋谷道玄坂店」へ行ってきた。
「魚べい 渋谷道玄坂店」は、元気寿司グループが経営する、105円均一回転寿司チェーン「魚べい」の都心第1号店。店内には回転レーンを設けず、3段重ねの直線レーンだけで注文のお寿司を席に運ぶという、業界初のモデルで2012年7月にオープンした。このモデルは魚べい渋谷道玄坂店と、同グループの回転寿司チェーン店「元気寿司 渋谷店」の2店舗のみ。今後は他店舗でも導入を計画しているそうだ。
テーブル席はなく、店内にはカウンター席が3列。カウンターを見てもお馴染みの回転レーンは存在せず、代わりに3段の直線レーンが壁の向こうから伸びている。これが「お寿司がびゅんびゅん走る」というアレか!
最近の回転寿司チェーンには、回転レーンの上下に、注文したネタを席まで届けてくれる、専用の高速レーンを設けるお店が増えていた。このお店はその「高速レーンだけ」のバージョン。ぐるぐる回るお寿司たちのパレードは見られなくなったが、壁からお寿司がさっそうと現れては客席で消える様子は、どこか近未来的でスタイリッシュだ。
各座席に1台ずつあるタッチパネルを操作し、食べたいネタを注文してみた。待つ間に眺めるのは、握る人でもゆっくり流れるお寿司でもなく「走るお寿司」だけ。あんなにのんびりしていたのに、お寿司のヤツなんかカッコ良くなったなぁ……。席の向こうでは西洋人っぽい女性2人組がお寿司の登場にはしゃいでいてほほえましい。店長さんいわく、客層は日本人と外国人が半々で、近未来なシステムに興奮する海外の方は多いそうだ。
1分くらいすると、マグロ、えび、サーモンが1つのトレイに載って登場。壁の向こうからすいーっとレーンを滑ってきて、目の前でストップ。スピードは従来の回転寿司屋にあった高速レーンとほぼ変わらず、約7メートルを8秒くらいでやってきた。
皿をとったあと「返却ボタン」を押すと、トレイは再び壁の向こうへ戻っていく。トレイは上・中・下段に1つずつあって、客席と厨房を往復してお寿司を提供し続ける。どの注文も1〜2分ほどで来るので、待ち時間のストレスはまったくなかった。
味はというと、もちろんどれもネタが新鮮なのでおいしい。回転寿司屋でももっぱら注文派だった記者。回転レーンの目に付いたネタを食べるランダムな楽しさは嫌いじゃないが、時間が経って身がパサパサになったものもあって苦手だ。高速レーンのみならその心配もない。
もはや回転寿司とは呼べないこの“直進寿司”。回転レーンを撤廃したことで、いつでも握りたての新鮮なネタが楽しめるようになっており、テーブル席にこだわらないなら大正解だ。
回転レーンが消えてファストフード感がさらに増した店内の空気、ハイテクな3段レーンの駆動ぶりがまた新感覚。お寿司の最新型を目の当たりにしたい人は要チェックだ。
魚べい 渋谷道玄坂店 店舗情報
住所 東京都渋谷区道玄坂2-29-11 第六セントラルビル1階
営業時間 午前11時〜午後12時(ラストオーダー・入店は午後11時30分)
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