「ぼくの名前はアダム。イヴのことなら何でも知っている。イヴは心優しい、清楚な女性。いつも見ています。いつもそばで見守っています。」
フジテレビが2012年に放送した深夜のホラー番組「eveのすべて」という番組を知っていますか? 放送時間がランダムで、長さは5分だったり9分だったりと回によってまちまち、それでいてテレビ欄には情報が載っていないなど、全貌をつかみにくいミステリアスな番組でした。実はこの作品、YouTubeとも連動していて、全話がYouTubeの公式サイトで見られます。ただし、テレビ版とは内容が微妙に異なる部分もあるなど、謎が謎を呼ぶ仕掛けが設けられているようです。ブログで取り上げられ再び話題となりました。
物語に登場する主な人物は、「イヴ」と呼ばれる一人暮らしのOLと、彼女をイブと名付けてストーキングする「ADM(アダム)」。ADMのストーキング視点(盗撮カメラ?)で番組は進むのですが、この“ADMの目”はイブの家の中はもちろん、通勤中、そしてオフィスまで、ひたすら彼女を追いかけます。
ストーリーの全容はぜひ作品を見て確かめてください。視聴者の感想を見ると、ネットやSNSが普及した社会、あるいはそれらを利用するユーザーを風刺したドラマだと捉える向きも多いようです。動画の公開先であるYouTubeそのものがサスペンスのギミックに盛り込まれているあたりからも、制作側のネットへの関心がうかがえます。
どこまでも彼女を追跡できるこのADMは一体何者なのか――その謎の行方が見どころの1つとなっています。あなたはこの作品のラストを、どう感じますか?
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